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2026.08.26
注文住宅 土地 耐震

今だからこそ考える 自然災害に備える家づくりと土地選び

初回投稿日:2026年8月26日

今だからこそ考える 自然災害に備える家づくりと土地選び

目次

平成28年(2016年)4月に続いて令和8年(2026年)7月28日、熊本県で最大震度7の地震が発生しました。

過去にも、

  • 平成11年(2017年)台風18号
  • 平成15年(2003年)水俣土石流災害
  • 令和2年(2020年)7月豪雨

といった大きな自然災害に熊本県は見舞われています。

【トピック】2026年熊本地震と警固断層帯

【トピック】2026年熊本地震と警固断層帯

冒頭で触れた2026年熊本地震は、2016年熊本地震における「活断層の割れ残り」がずれ動いたものと専門家の間では見られています。

その「割れ残り」をキーワードとして地震誘発リスクが指摘されているのが福岡県の「警固断層帯」です。

警固断層帯は2005年福岡西方沖地震で動かなかった福岡市から筑紫野市へ延びる南東部が「割れ残り」にあたるため、地震調査研究推進本部の長期評価では国内の主要活断層の中でも最高レベルの危険度を示す「Sランク」に指定されています。

福岡市総合ハザードマップによると、今後30年以内の地震発生確率は「0.3~6%」と記されていますが、2016年熊本地震は発生直前の確率がほぼ0〜0.99%という低い数値の中で起きています。

確率の数字が低いからといって「安全」とは言い切れないとの認識を持たなければならないでしょう。

警固断層帯についての詳細は地震調査研究推進本部のサイトでご覧いただけます。

自然災害が住宅に与える影響

自然災害が住宅に与える影響

地震・台風・豪雨など自然災害の住宅への影響について全体像を押さえておきましょう。

地震

「建物」「敷地」「室内」の3つの観点で分類してみました。

  • 建物
    倒壊・全壊、構造の変形、表には表れない損傷、火災(もらい火)
  • 敷地
    地盤沈下・傾き、電気・水道・ガスの断絶、道路寸断や割れ・裂けによる孤立または避難遅れ
  • 室内
    家具・家電の破損、ガラスの割れ・飛散、(電気復旧後の)通電火災、・ガス漏れによる引火、閉じ込め

被害の程度によっては避難生活が長引き、家屋の立て直しが難しい場合は心身だけでなく経済的なダメージも大きくなります。

台風・豪雨

「風雨」「水害」「土砂災害」の3つの観点で分類してみました。

  • 風雨
    強い風と大量の雨が住宅の屋根や壁を直撃
    屋根・外壁の破損、雨漏り・雨水浸入、構造体の腐食など
  • 水害
    短時間の猛烈な雨により床下や室内が水に浸たる
    床下・床上浸水、断熱材・基礎の汚損、設備・家電の故障など
  • 土砂災害
    線状降水帯などの長時間の豪雨で山の斜面や地盤が崩壊
    土砂の流入、敷地の崩れ、擁壁の崩壊など

強風による電線の断線や電柱の倒壊で停電が発生すると、地域全体の生活がマヒする可能性も頭に入れておきたいものです。

災害に強い土地選びの鉄則響

災害に強い土地選びの鉄則

家づくりでは建物の性能だけでなく「どこに建てるか」という土地選びが非常に重要になってきます。

カギとなるのは「白地」と地盤の強弱を推し量る「微地形」という2つの視点です。

白地とは

「白地」とは行政が公開しているハザードマップにおいて、浸水や土砂災害の危険性がないと示されているエリアを指しています。

土地探しでは、まずハザードマップで色が塗られていない白地エリアの調査、あるいは気になる地域のリスク確認からスタートしてみるとよいでしょう。

各自治体のハザードマップについては後ほど紹介します。

微地形の具体例

「微地形」とは数十センチメートルから数メートル程度の高低差や起伏によって生まれる地形を指します。

日常で「数十センチメートルの高低差」などを見分けるのは至難の業ですが、国土地理院の地形図など、いくつか知る方法はあります。

微地形の具体例を挙げますが、なじみのある地形も含まれていますので、土地勘があればイメージもしやすいでしょう。

  • 自然堤防(しぜんていぼう)
    川の洪水で岸に土砂が積み上がってできた周囲よりわずかに高い場所
    地盤が固く水害に強いため家や神社が建てられるケースが多い
  • 後背湿地(こうはいしっち)
    自然堤防の裏側にある少し低く水はけの悪い場所
    水分が多いため水田としての利用が多い
  • 旧河道(きゅうかどう)
    川が流れていた跡が緩やかな窪地(くぼち)として残ったもの
    埋め立てなどで道路や住宅地に整備されるも地盤に不安あり
  • 山地の斜面のたるみ(小起伏)
    山の斜面の一部がわずかに盛り上がったり窪んだりしている場所
    過去の小さな地すべり跡で大雨後の崩落危険度が高め  

微地形の特徴を捉えておけば、「後背湿地や旧河道は低い位置にあるため水害リスクが高い可能性がある」といった見方ができます。

微地形を知る方法

土地の歴史自体が有効な手がかりです。

水に関する漢字、たとえば「川」「池」「沼」「谷」などが含まれている地名は、かつて水辺や湿地であった可能性があります。

また「坂」「窪」などの地名は平らに見えても過去には高低差があったともいえます。

 参照:歴史は地形に刻まれる 平野の微地形 | 国土地理院

土地勘がない場合は国土地理院のウェブサイトで公開されている古地図や航空写真を確認すると、その土地が過去どのように利用されていたかのヒントが得られます。

希望エリア内で気になる土地情報があれば所在地の過去を振り返ってみるのもよいでしょう。

自治体別ハザードマップ

ハザードマップは「住める・住めない」を判断するためのものではなく、その土地にどのような災害リスクがあるかを知り、備えるための地図です。

次の2ステップでの確認が効率的です。

ご参考までに、リブワークでは来店された方を限定に、同一地図上に「土地情報」と「ハザードマップ」をレイヤー表示させた地図を閲覧可能にしています。

土地探しを行う上でハザードマップを重ねて表示しますのでとても分かりやすく来店者に好評を得ています。

e土地MAP:土地情報にハザードマップを表示

 

熊本県

防災情報くまもと

浸水想定区域・土砂災害警戒区域・特別警戒区域・山地災害危険箇所などのメニューを選択するだけで範囲が一目できます。

そのほか地震・津波・火山などの情報も掲載する県内全域対応総合防災ポータルです。

防災情報くまもと:熊本県ハザードマップ

福岡県

福岡県防災ホームページ

県内の防災情報が一元化された公式サイトで、「災害に備える一覧」や「断層ごとの震度予測及び液状化予測マップ」など掲載しています。

ページ下部にも「土砂災害警戒区域等マップ」「洪水浸水想定区域」など21ものメニューがあり、あらゆる情報が入手できます。

福岡県防災ホームページ:福岡県ハザードマップ

佐賀県

防災・減災 / 佐賀県

シンプルなメニュー構成で知りたい情報が探しやすいサイトです。

ただし地盤や地震に関するハザードマップは市町村ごとに公式サイトでの公開となっているケースが多く、県内を俯瞰したい場合は国土交通省のポータルサイトの利用を前提とするとよいでしょう。

防災・減災 / 佐賀県:佐賀県ハザードマップ

大分県

おおいた防災情報ポータル

大分県全域を俯瞰できるハザードマップです。

河川浸水想定区域・土砂災害警戒(特別警戒)区域・津波浸水予測など一通りメニューがそろっています。

別府湾・周防灘・南海トラフにおいて堤防の有無での予測表示もあります。

おおいた防災情報ポータル:大分県ハザードマップ

鹿児島県

鹿児島県ハザードマップ

国土交通省の「重ねるハザードマップ」と各市町村のハザードマップが1ページに集約されて非常に使いやすい構成です。

桜島の噴火による火山災害への備えについてのページもあります。

鹿児島県ハザードマップ

千葉県

ちば情報マップ

「防災情報」から「土砂災害警戒区域」「津波浸水想定」「洪水浸水想定区域図(R4.3月末公表分)」などのマップを選択すると詳細が閲覧できるポータルサイトです。

南海トラフ・日本海溝・千島海溝での地震津波浸水想定も公表されています。

ちば情報マップ:千葉県ハザードマップ

神奈川県

e-かなマップ

前述の「ちば情報マップ」と同じタイプのポータルサイトです。

「防災と安全」から「洪水浸水想定区域」「土砂災害警戒区域」「津波浸水想定」「地震災害危険度」などのマップを閲覧できます。

「土地履歴情報マップ」では現在の地図と明治期の地図を並べて表示させると、かつてはどのような場所だったのか調べられます。

e-かなマップ:神奈川県ハザードマップ

覚えておきたい自己防衛力アップ

土地選びや家づくりの過程においても「命を守る」「生活を繋ぐ」ために設計や仕様への反映が欠かせなくなっています。

良い土地に強固な住宅を建築しても、いざというときの備えと行動が取れなければ意味がありません。

日頃からできる自己防衛力アップについてまとめました。

被害を防ぐ事前準備

まず取り組みたいのが日常での事前準備です。

  • 家具をつっぱり棒などで固定して地震による転倒や負傷を防ぐ
  • 水・食料・簡易トイレ・常備薬などを最低でも3日から1週間分備蓄する
  • 非常用持ち出し袋を玄関など分かりやすい場所に準備しておく

いつかやろうと後回しにしがちですが災害はいつ発生するか分かりません。

できるところから始めましょう。

命を守る発生時の行動

災害の種類によって、とるべき行動は異なります。

  • 地震発生時は机の下に隠れるなど身体を保護して安全を確保する
  • 台風や豪雨の際は自治体が発表する警戒レベルを確認し、明るいうちに安全な場所へ早めに避難する
  • 浸水が始まり外へ避難できない場合は無理に外に出ず、建物の高い場所へ移動する「垂直避難」に切り替える
  • SNSなどで配信されるデマ情報に惑わされず、自治体や気象庁が発表する公式情報で判断する

「早めの判断」と「正確な情報」が、命を守るための2つの鍵になります。

生き延びるための被災後の対応

自然災害後の被災生活を生き延びるには、「直後の安全確保」「避難・生活維持」「情報と健康管理」が重要です。

  • 直後の安全確保
    ・即座のブレーカー遮断:通電火災を防ぐ
    ・ガスの元栓閉鎖:供給停止でも漏洩や引火予防のため閉める
    ・余震と津波の警戒:高台や頑丈な建物へ移動
  • 避難・生活維持
    ・水洗トイレの使用禁止:下水管破損による逆流や浸水を予防
    ・簡易トイレの即時設置:排泄環境を整える
    ・分散避難:自宅の安全性次第で感染症リスクの低い在宅避難を選ぶ
  • 情報と健康管理
    ・公的情報での確認:必ず自治体HP・防災アプリ・ラジオから情報を得る
    ・エコノミークラス症候群予防:特に車中泊では足を動かし、水分を補給
    ・安否確認手段:災害用伝言ダイヤル(171)などを共有しておく

参考までに挙げましたが、これで十分とは考えずに常に防災へのアンテナを張って、各自で日頃からの自己防衛の意識を持っておきましょう。

いざというときに家族の命と生活を守ることにつながります。

まとめ

まとめ

自然災害を完全に避けることは非常に難しいですが、リスクは事前に調べられるため、備え方がカギとなります。

ハザードマップを参照して白地や微地形の情報をもとに土地を選び、自然災害に強い住まいをつくる視点が求められます。

もし不安があれば一人で抱え込まずに専門家へ相談してみましょう。

自然災害リスクの低い土地を探したいときは、リブワークのe土地netにお任せください。

また、注文住宅を建築される方で、土地情報をお求めの方はリブワークにぜひご相談ください。

著者情報
福岡覧斗



L.D.K.Information代表。宅地建物取引士・2級FP技能士の有資格者として不動産・建築・金融関連記事を含む多様なジャンルのコンテンツを制作。大手住宅設備メーカーでの商品開発と営業経験から現場視点の課題解決と公的データに裏付けされた客観的な情報提供が強み。「外壁塗装業者の選び方」「不動産売却成功のカギ」「相続物件や空き家の活用方法」など400本以上を手掛ける。コンテンツマーケターとしてもSEOで年間最大28.8万クリックの実績あり。

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