注文住宅は、建築予定地の土地や購入済みの土地の建築条件などを考慮して、間取りや外観を検討し、仕様を固めることになります。
完成するまで、仕様どおりに建築されるか100%の保証はありません。
建築の過程でさまざまな検査が行われますが、抜け・漏れ・見落とし・勘違いなどの発生が考えられるため、建築主が自らチェックすることも求められます。
そこで今回は、注文住宅を建築する際に実施される検査、施主として実施しておくべき確認ポイントなどについてお伝えします。
注文住宅の完成までには、複数の工程で検査が実施されます。
見えない部分の施工品質を確保するためにも、どの段階で何をチェックするかを把握しておくことが大切です。
まずは、代表的な検査内容と、それぞれの役割について確認していきましょう。
注文住宅の建築では、工程ごとに検査が行われ、品質と安全性がチェックされます。
施主自身が内容を理解し、適切なタイミングで関与することが、後悔のない家づくりにつながります。
鉄筋の太さや配置、結束などが設計図どおりかを確認します。
コンクリートを流し込む前に実施され、見えなくなる部分の品質を左右する重要な検査です。
第三者検査機関を利用するケースも多く、立ち会いの有無を事前に確認しましょう。
柱・梁・筋交いなど構造部分が図面どおりに組まれているかを確認します。
耐震性能に大きく関わる工程で、雨仕舞(屋根や防水シート)を含めてチェックされることもあります。
この段階で不備があると修正が困難なため、写真での記録も有効です。
建築基準法に基づく検査で、指定確認検査機関が実施します。
耐力壁・筋交い・金物類の設置状況などをチェックしますが、自治体によっては実施されないケースもあります。
建物全体が完成した段階で行われる最終検査です。
設計図どおりに完成しているか、内外装・設備機器の動作・傷の有無などを確認します。
このとき、施主による「施主検査」も同時に行われるのが一般的です。
不具合の是正工事(手直し)後、再度の確認を経て、正式な引き渡しとなります。
気になる点は曖昧にせず、引き渡し書類にサインする前に必ず再チェックしましょう。
注文住宅の検査には、施工会社・第三者機関・施主の3者が関与します。
それぞれの立場で確認すべき範囲が異なるため、役割分担を正しく理解することが重要です。
確認者 |
主な役割 |
注意点 |
施工会社 |
工事全般の品質確認と是正対応 |
自社基準によるばらつきあり |
第三者機関 |
中立的な構造・施工検査 |
任意サービス、費用が発生する |
施主 |
仕上がりや生活上の使い勝手確認 |
主観的になりすぎない |
施工会社は、工事の全工程に対して責任を持ち、社内検査(自主検査)を実施します。
社内検査はあくまで「会社基準の評価」であるため、チェックの厳しさや内容には差があります。
そのため任せきりにせず、検査記録や写真の提出を依頼するのも一つの手です。
住宅診断士(ホームインスペクター)や建築士など第三者機関は、施工会社とは利害関係がないため、施工不良や図面との相違を客観的に指摘してもらえます。
施主は、住む側だからこそ気づける視点で確認することが求められます。
図面では気づきにくい使い勝手や、細かな仕上がりの確認は建築主にしかできません。
気になったことはその場でメモや写真で、施工会社と共有しましょう。
注文住宅のための土地を福岡県で購入後、施工会社選びが家づくり大きく影響します。
完成間近の段階では、施主自身の目で確かめておくことが大切です。
「プロに任せているから安心」と思いがちですが、実際の使い勝手や細かな仕上がりは、住む人の目線でしか気づけません。
「窓の位置・高さ」「収納のサイズ」「コンセントの位置」などは、図面と異なっていることも少なくありません。
時間はかかりますが、その場で照らし合わせながら確認します。
特に、生活動線や家具配置に関わる部分は要チェックです。
外壁や屋根、室内の仕上げなど、目に見える部分は施主が確認しやすい部分です。
外まわりでは「ひび割れ・塗装ムラ・雨樋の傾き」などをチェックします。
内装は「壁紙の浮き・床のキズ・ドアの建て付け不良」が見落とされやすい項目です。
気になる箇所があれば、写真で記録し、引き渡し前に必ず指摘しましょう。
現場が暗いと見逃しやすいため、明るい時間帯での検査、もしくはスマートフォンのライトが有効です。
キッチン・浴室・トイレ・洗面台などの水回り設備は、実際に使ってみないと不具合に気づきにくいものです。
ただし実際に料理、入浴などはできないため、「水漏れがないか」「水の流れがスムーズか」「換気扇が作動するか」といった基本的な動作確認のみとなります。
設置位置、引き出しや扉の開閉に支障がないかもチェックしましょう。
生活に直結する設備こそ、引き渡し前に細かく確認しておくことが大切です。
気づいた不具合や違和感は、その場で遠慮せず伝えます。
感情的にならず、冷静に「場所・内容・希望する対応」を、具体的に伝えるよう心がけましょう。
口頭だけでなく、写真付き文書やチェックシートに記録し、共有するのが基本です。
記録を残すことで、手直し対応の漏れや認識のズレを防ぐことができます。
福岡県内の自分の土地に建てられたマイホームを、プランどおりか確認するのは、施主の重要な役割です。
施主検査をスムーズかつ確実に進めるには、事前の準備が欠かせません。
最低限の持ち物に加え、スマートフォンや無料アプリを活用することで、確認漏れや記録ミスを防ぐことができます。
ここでは、検査当日に役立つ便利アイテムやツールをご紹介します。
施主検査に必ず持っていきたいアイテムは次の通りです。
チェックリストとして活用してください。
スケール(メジャー)
確定した図面
マスキングテープ
壁紙、外壁のサンプル
設備表
上記のマスキングテープはキズや汚れがある部分に目印として貼り、施工会社が修正箇所を見つけやすくするために使用します。
修正後にマスキングテープを剥がして回収しますので、マスキングテープが全てなくなっていれば修正完了という証にもなります。
スケールでは測れない高さや長さを確認する場合は、無料のAR測定アプリが便利です。
画像として保存することもできますので、その場で施工会社に連絡も可能です。
iPhoneには「計測」アプリが標準ツールとして搭載されていますので、積極的に活用することをおすすめします。
外観や室内を録画保存することで、トラブル発生時の現状確認に使えます。
スマートフォンは必ず持参するようにしてください。
注文住宅の建築は、基本的に職人の手作業に委ねられます。
丁寧な仕事も期待できますが、それでも、キズや汚れがついてしまいます。
そのため、キズや汚れがあることを想定してチェックしますが、指摘する場合はキズの幅や深さが分かるよう、画像で記録をしておきましょう。
キズの幅(長さ)はスケールと一緒に撮影し、深さは角度を変えて撮影すると分かりやすくなります。
また、動画でキズや汚れを上下左右に動かしながらの撮影も有効です。
検査時だけでなく、福岡県にある土地を選ぶ段階でも、不動産業者に許可を得た上で画像に納めると、自宅での比較検討がしやすくなります。
どれだけ丁寧に点検したとしても、見落としは発生します。
「もっと早く気づいていれば…」という例も少なくありません。
見落としを防ぐ手立てとして、第三者の目を借りる、先人の体験を参考にするのは、かなり有効です。
検査精度を高めるための工夫や、見えにくいポイントへの備えを紹介します。
専門知識に自信がない場合は、ホームインスペクターなどの第三者検査機関の利用が効果的です。
施工会社とは独立した立場で、構造や断熱、雨漏りのリスクなどを客観的にチェックしてくれます。
調査費用の相場は30万円〜50万円ですが、引き渡し後の不具合修理に比べれば、リスク軽減効果は高いといえます。
特に構造や配管など、完成後に見えなくなる部分で安心感を得たいのであれば、第三者による検査は最も確実な方法です。
「床にわずかな傾きがあった」「窓の鍵が閉まりづらい」など、引き渡し後に不具合を発見することは、珍しいことではありません。
中には検査時に「気になったけど伝えづらかった」ために、そのままにした不具合も少なくないのです。
プロの中に混じって建築知識もない者が、あれこれと指摘するのは気が引けるという意見や気持ちも理解できますが、点検という状況において話しは別。
建築に慣れたプロだからこそ、一般レベルでも発見できる不具合が見逃されることもあります。
違和感の放置や妥協は、時に大きな問題に発展する可能性もあるため、納得できる点検を目指しましょう。
壁内や天井裏の断熱施工は、建物完成後には見えなくなるため、施工中の写真や報告書で確認することが大切です。
また、換気設備や窓の気密性などは、動作確認以外の点検や確認は専門的な知識が必要なため、営業担当や現場監督から説明を受けるようにします。
注文住宅の建築工程で実施される検査は、家づくりに欠かせないものであり、施主自らも立ち会う機会があれば、積極的に関わることを推奨します。
完成までは半年から1年ほどかかる注文住宅の建築において、最も避けたいのは引き渡し後の施工不良の発覚、不具合でのトラブルです。
各検査の内容を理解し、第三者の目や便利なツールも活用することで、見落としを防ぎやすくなります。
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