住宅の図面、特に間取り図などでは、たくさんのアルファベットが表記されていることがあります。
大抵の場合は、部屋の場所や広さ、図面に載っている形状から何を示しているのか想像できますが、専門用語に近いものも含まれるため、注文住宅プランの説明を受けても戸惑いの原因となりがちです。
そこで今回は、それぞれ何を略した表記なのか、間取り図などに記されている英字記号の意味について解説します。
まず初めに、注文住宅を新築するならば、必ず目にすることになる設計図について説明します。
通常、住宅用の設計図は、さまざまな種類があるため、設計図書と言われる冊子の状態にして、関係者が閲覧できるようにしています。
これは千葉県に限らず、全国のハウスメーカー、工務店、設計事務所や不動産業者に至るまで、その場にある設計図書という形での取り扱いです。
この章では、設計図書について、簡単に解説します。
設計図書は、大きく分けて4種類の図面で構成されています。
建物の外観や間取りといったデザインや見た目の情報を記した図面。
建物を上から見た配置案内図、平面図、伏図、建物を横から見た立面図、展開図、断面図、矩計図、その他、仕上げ表や建具図面などを含みます。
柱、梁、床などの構造材の寸法や位置といった実際に建物を建てる際の情報を記した図面。
部材寸法図、部材リスト、基礎伏図、基礎配筋図、各階床伏図、部材の取合、接合部の形状おさまりの指示書、部材強度指示書などが該当します。
住宅設備の仕様や配管、配線経路、使用部材の情報を記した図面。
電気、給排水、ガス、暖房空調、換気、LAN配線などを記したものです。
建物の外部の敷地内の情報を記した図面。
ウッドデッキ、駐車スペース、アプローチの仕上げ、植栽、敷地内の水勾配、エクステリア図面、地中埋設されている給排水管図面などがあります。
これらの図面は、住宅の建築打ち合わせの状況に合わせて作成されていきます。
前述した構造図や設備図は、大工や職人へ指示するための内容が多く含まれているため、一般的には建築関係者以外は、ほとんど目にすることがありません。
そのため、千葉県内でもハウスメーカーによっては、商談の際によく使用する図面を「4つの図面」として提示することが多いはずです。
建築地の地図、方位、接道する道路、隣接する敷地、敷地の中で建物を配置する場所、敷地内の高低差などを記した図面。
建物内部の間取り、窓の位置や高さ、建具の向き、収納内部の造作などを記した図面。
建物の外観を、東西南北の4面で真横からみた形状を記した図面で、外装や屋根の形状、仕上げについて記載されたもの。
仕上げ表は室内の床、壁、天井の内装に使用する建材について記された図面を指す。仕様書は住宅設備や内装に使われるタイルのメーカー名や色番号、品番など図面で表すのが難しい内容を記したもの。
間取り図は記載内容が多いので、できるだけ見やすく情報を詰め込む必要があることから、略語を多用しています。
本章では、使われることの多い英字や記号について説明します。
なお、ハウスメーカーによって別の表記が使われている場合もありますので、あらかじめご了承ください。
ENT:エントランス・・・玄関
LDK:リビングダイニングキッチン・・・台所、食卓、居間を一体化させた間取り。開放感のある大空間がとりやすくなります。家事をしていても家族を見られるので人気です。
DK:ダイニングキッチン・・・台所と食卓を合わせた間取り。くつろぎスペースと食事スペースを分けたい場合に取り入れられます。来客が多い家庭にもぴったりです。
LD:リビングダイニング・・・キッチンを独立させて、食卓と今を合わせた間取り。生活感や雑多になりがちなキッチンをわけるとすっきりした印象を与えられます。調理の際のにおいや煙を遮る効果もあります。
K:キッチン・・・台所スペース。キッチンの中に“R“の表示がある場合は、冷蔵庫置き場を意味します。
R:居室・BR:ベッドルーム・・・洋室や寝室、子ども部屋
MBR:マスターベッドルーム・・・主寝室
JR:ジャパニーズルーム・・・和室
DEN:書斎・・・元々は洞穴を意味する英語です。書斎やホビールームなど多目的に使用する部屋を意味します。
FR:ファミリールーム・・・リビングと別に作られる家族のくつろぎ空間
HALL:廊下・・・玄関ホールや階段のホールも含まれます。
WIC:ウォークインクローゼット・・・歩いてはいることのできる大型の収納。 主寝室の横に設置されることが多いです。
FC:ファミリークローゼット・・・家族で共用する収納
CL:クローゼット・・・一般的な収納
SIC:シューズクローゼット・・・玄関横に設置する土足で入る収納。靴箱やガーデニング用品、外遊びグッズを収納します。
OS:押し入れ
SC:シューズクローク・SB:シューズボックス・・・靴箱
PS:パントリースペース・・・キッチンに隣接している場合、食品庫を意味します。食器や保存できる食品の収納スペースです。
STR:ストレージルーム・STO:ストレージ・・・倉庫や納戸
S:サービスルーム・・・納戸や収納 採光条件を満たしていないスペースです。
WC:ウォータークローゼット・T:トイレット・・・トイレ
DR:ドレッシングルーム・・・洗面室 洗面室の中に“W“の表示がある場合は、洗濯機置き場を意味します。
UB:ユニットバス・・・浴室
SK:スロップシンク・・・掃除や洗濯に使う大型の流し場のことです。
VOID:吹き抜け・・・図面上ではあわせて点線でバツ印を表記します。
RF:ロフト・・・はしごや階段を使って入る屋根裏部屋や収納スペース
DS:ダクトスペース・PS:パイプスペース・・・換気のダクトや給排水の配管を通すためのスペース。壁で覆うので室内からは柱型が出ているように見えます。
UP・・・階段の上り口
DN・・・階段の下り口
FIX・・・開閉できないはめ殺しの窓
TL:トップライト・・・天窓
Low-E:ロウイーガラス・・・ガラスとガラスの間にコーティングを施して省エネ性を高めたガラス
CF:クッションフロア・・・樹脂系の床材
AC・・・エアコンの設置場所
WD:ウッドデッキ・・・1階に設置される室内から外に出られる空間
VER:ベランダ・BL:バルコニー・・・2階以上に設置される室内から外に出られる空間
P:パーキング・・・駐車場
BP:バイシクルポーチ・・・自転車置き場
MB:メーターボックス・・・電気ガス水道のメーターを収めた場所
GL:グランドライン・・・敷地の中で基準とする高さ この点に比べて高い場合はプラス、低い場合はマイナスで表示します。
H:ハイ・・・高さ
W:ワイド・・・幅
D:デプス・・・奥行
J・・・広さの単位、帖・畳
CH:シーリングハイ・・・天井の高さ。吹き上げなどで通常と高さが異なる部位に記載される場合があります。
AEP:アクリルエマルジョンペイント・・・木部で使われる水性塗料。艶の少ないマットな質感です。耐水性に優れているので水回りの木部塗装に使用します。
㋐・・・部材の厚さ
@マーク・・・ピッチ、間隔のこと@300だと300mm間隔を意味します。手摺子の間隔などに使われる場合があります
窓のサイズや高さは、カーテンや家具配置を検討するのに重要です。
千葉県に引っ越してくる際に、現地でカーテンを購入する予定なら、読み取り方を覚えておくと非常に便利なため、参考までに説明しておきます。
窓の近くに5桁の数字が記載されています。
これは前半3桁が窓の幅、後半2桁が窓の高さを示しています。
ただし、これは窓の内寸サイズのため、カーテンや家具の設置を考える場合は、窓のサッシ部分を含めた大きさが必要です。
実際は、幅+4㎝、高さ+7㎝ぐらい余裕を持たせるようにしましょう。
例:“17607“
前半の”176“は176㎝を示すので4㎝プラスして、窓の幅は180㎝を参考寸法とします。
後半の“07”は末尾にゼロをつけ足して70㎝と読み取り、7㎝プラスして、窓の高さは77㎝とします。
表示がない場合は高さ2mに窓の上端を合わせることが一般的です。
高さを変更する場合には、“H=〇〇“、”FL=〇〇“ と表示があります。
例えば、天井の高さが2.4mの部屋に“17607“の窓を設置する場合、2mの高さから高さ70㎝の窓ガラスを取り付けるので、おおよそ高さ1.3mの位置から2mの位置が窓のガラス面です。
サッシはその外側につきます。
この高さは、床の構造材からの高さになるため、フローリングなどの仕上げ材の厚みがあると、実寸とは多少のズレがあります。
当サイトには「土地検索」というメニューがあり、エリア(例えば千葉県)を選択するだけで、注文住宅の新築セットプランを提示します。
また、「マイホーム検索」では、間取りと支払い限度額を設定すると、注文住宅の参考プランを提示します。
マイホーム検索で表示される間取り図は、英字表記になっていますが、設計図書に納められている図面のように略語ではありません。
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間取り図の中で使用される英字記号について解説しました。
略語の意味が理解できると、図面から読み取ることのできる情報が増えるので、実際の部屋をよりイメージしやすくなります。
特に収納については、中に入っていくタイプなのか、開いたら棚やパイプがついているタイプなのか、略語で示されているだけで、見落としてしまうことがあります。
間取り図を見る際の参考としていただけると幸いです。
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