マイホームが欲しいのは夫婦と子どもで構成されてるファミリーだけではありません。
母子家庭や父子家庭であっても、マイホームを購入する権利はありますが、特に母子家庭においては、
といった世間の声も聞かれるため、「買えない」と思い込んでいるフシもあるのではないでしょうか。
今回の記事では、主に母子家庭のマイホーム購入についてのお役立ち情報、想定年収から年収負担率と住宅ローンの借入額の考え方などについて、お伝えします。
母子家庭に対する世間の声は、おおむね、
といった実に無責任で、しかもマイナス思考の印象です。
確かに経済的には厳しい世帯も多いでしょうが、個人的に知っている範囲では、前述したような声とは無縁の母子家庭世帯も多くあります。
むしろ母と子でたくましく生きている印象の方が強いぐらいです。
お子さんも素直で勤勉な様子も伺え、片親をハンディだと微塵も感じさせません。
もちろん、プライバシーを尊重して詳しいことまで聞けませんから、本音はわかりませんが、母子家庭だからという理由だけで線引きをする必要性があるのかは疑問に思うほどです。
厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査(旧:全国母子世帯等調査)」では、15%の母子家庭が待ち家で暮らしています。
その持ち家とは、離婚の引き換えによって自分名義に変更した物件とは言い切れないことから、新築したケースもあると見るのが自然でしょう。
新築したケースでは、母子家庭における母親の職業が、
という状況にあることが想定されます。
しかし飲食店のパートやアルバイトの掛け持ち、ナイトワーク、介護・福祉系、製造業や一般事務といった分野では、少し苦労が見える感じです。
前述した「全国ひとり親世帯等調査結果」の平成28年度において、母子世帯の母親の就業状況を見てみると、
となっています。
就業の状況次第では、マイホーム購入の可能性が見えてくる感じではあります。
母子家庭に限らず、マイホームの購入や新築において気になるのは、住宅ローンで借入が可能かどうかという点です。
どの程度の借入が可能か、返済負担はどの程度なのかを知るためには、借り入れの申し込みをして審査を受けなければなりません。
一般的には、どういった項目が審査対象となるのか、母子家庭という状況に審査上の有利不利はあるのかについて、元都市銀行の融資業務経験者の声を参考にしてお伝えすることにします。
ただし金融機関によって多少の違いがあることも、ご認識ください。
住宅ローンの審査における申し込みについて、以下の項目についての回答が必要となります。
購入物件についても金融機関は審査対象としており、申込者自身の審査が通ったとしても、物件の審査が通らないというケースも珍しいことではありません。
スムーズに事を運ぶためには、事前に物件についての資料を持参して、借入したい金融機関へ相談することがおすすめです。
審査項目で重要なポイントを聞いてみると、まさかの全部・・・。
つまり、それほど金融機関にとって融資というのは厳格であり、1つでも審査基準をクリアできない項目があると審査は厳しくなります。
特に重要なのは、年齢と年収と考えても良いでしょう。
基本的に住宅ローンは35年間で組む前提で考えるので、早いうちに検討した方が良く、返済期間が短いと、その分返済比率も高くなり不利です。
50代後半での決心は、自己資金次第ではありますが、融資の希望金額によってはかなり厳しい見方をされてしまいます。
また年収も、金融機関によって明確な基準がありますので、年収が少ない場合は銀行独自の住宅ローンなどの利用は、まず厳しいと考えた方が無難です。
母子家庭においては、母子家庭となった理由にもよりますが、離婚協議書の提出、慰謝料・養育費などの状況もチェックされ、その金額も含めて返済比率が検討されます。
このように銀行独自の住宅ローンは、かなりハードルが高いため、フラット35の申し込みをおすすめします。
フラット35では、年収200万円台でも申し込みは可能であり、就業形態も問われないのですが、だからといって確実に審査に通るわけではありません。
あくまでも銀行独自の住宅ローンより、ハードルが低く設定されているだけです。
年収から、いくら返済に割り当てられるかを算出すれば、大体の購入可能な金額の目安を知ることができます。
そもそもの母子家庭の平均年収を調べてみると、厚生労働省がまとめた「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」のデータを引用すると243万円です。
調査結果における平均年収とは、生活保護の給付、児童扶養手当等の社会保障給付金、就労収入、別れた配偶者からの養育費、実家からの仕送り、地代・家賃などを加えた全ての収入の額を言います。
ちなみに、母子家庭における母親の就業体系や職業を軸とした平均年間就労収入を見てみると、
というデータも出ています。
専門的知識を有する医療従事者、身分が公務員である教職員であれば、安定した収入が確保できると見られるため、マイホーム購入機会はあると言えそうです。
現状の年収から返済に割り当て可能な金額を知る判断材料として「返済比率(負担率)」があり、これは年収に対する住宅ローン返済の参考にもなります。
一般的に銀行では20%~30%を目安にしており、仮に、毎月5万円を返済に充てられそうだと考えるならば、
となり、年収200万円を超えていれば、実現に遠くないと考えることができます。
前述のデータ、母子家庭の平均年収243万円を例にして、購入可能なマイホームの相場を見極めることも可能です。
一方で、単純に年収の7倍を借入金額の目安とする考え方もあり、仮に243万円ならば約1,700万円が妥当なラインになります。
あくまでもざっくりとした検討に用いる数字というこで、予算を組む場合は、金融機関への相談がベストです。
住宅ローンでの借入では融資限度額というものが設定され、年収とその他の債務状況によって申込者ごとに変わってきます。
融資限度額の計算においては、その他の債務の返済金額も含まれるからです。
その他の債務とは金融機関により異なりますが、代表的なのは携帯電話の購入契約時に利用される分割(割賦)払い、あるいはクレジットカードの分割払いも返済比率に加えられることもあります。
母子家庭は融資限度額が低く設定されるというウワサもありますが、それだけが理由とされることはなく、返済していけるのかどうかという点で厳しい目で見られるのが真相です。
特に母子家庭の場合は、母親の職業が大きく関わることになり、正社員として長く働いていける状況なのか、それとも転職を繰り返して就業に不安を抱えやすいのか、そのような面でも融資限度額に及ぼす影響は変わります。
しかし母子家庭とは言え、母親は企業の役員、あるいは経営者という方もいることから、金融機関は申込者について丁寧に審査を行っています。
仮に返済比率をもとに希望する融資額に届かない結果となった場合でも、
といったことも含めて、予算を再編成してみることをおすすめします。
一般的な母子家庭、つまり母親の職業が専門職や会社役員、あるいは事業家以外で、年収200万円台でもマイホームが欲しいとするならば、狙い目は2,000万円以下の物件がおすすめと言えそうです。
今では、格安でマイホームを提供している業者もあり、母子家庭だからという理由で、相談を断るハウスメーカーや不動産業者は存在しません。
ただし、2,000万円以下という条件では、かなり物件数も少ないです。
返済能力においても不安があるようならば、実際に不動産業者、ハウスメーカー、金融機関に情報収集を兼ねて、かけあってみてるという地道な作業も避けられません。
ラッキーにも予算に見合った物件が見つかり、無事に住宅ローンの審査も通ったならば、あらかじめ返済プランの青写真は描いておくことは重要です。
元都市銀行の融資担当者からの返済における金言としては、
ボーナス返済は取り入れずに毎月均等払い
にすることです。
逆に言えば、毎月均等払いで返済していける金額だけを借りる、とも言えます。
ボーナスに依存する返済計画では、今回のコロナ禍に代表されるように、ボーナスの支給額への悪影響、正社員雇用から別の就業体系へ見直しなどが実行された場合、返済が立ち行かなくなります。
また、返済期間を長く設定すれば、その分、毎月の返済額は低くなり、低金利というメリットを活かすことが可能です。
何より、団体信用生命保険という最後の砦があります。
借りられるなら長めに借りて、無理のない返済計画を立てましょう。
母子家庭のマイホーム購入は、ほとんどのご家庭では、正直、厳しいハードルかもしれませんが、可能性はゼロではありません。
そもそも不動産業者、あるいはハウスメーカーへ、母子家庭という状況の中でマイホームの新築や購入についての相談をするということ自体が、高い壁となっているようにも見えます。
しかし、母子家庭のマイホーム購入に背中を押してくれるハウスメーカーも存在するのは事実です。
少しでも可能性を信じる場合は、遠慮せずに、相談してみては?
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