新型コロナウイルス感染症の影響によりテレワークが普及し、在宅で仕事をするスペースをあらかじめ間取りに盛り込んだ住まいのニーズが増加しています。
そのため、テレワークに対応した住まい造りを検討している場合は、家事動線やコミュニケーション以外に、どのようなスタイルでテレワークを進めるかを考えることも必要です。
これからは、賃貸住宅から注文住宅への住み替えをきっかけとして、テレワーク環境も含めた設計が合理的と考えられます。
テレワーク時代にふさわしい注文住宅に間取りについて、ポイントをお伝えします。
実際にテレワークを実施すると、想定していなかった問題に直面することがあります。
これまでの住宅は、テレワークを念頭に置いた設計を前提としていなかったため、問題に対しては個人の工夫に委ねられていた面もあったのではないかと推測しています。
たまたま書斎を構えていた場合は、一見、テレワーク環境として十分に機能するかのように見えますが、ビジネスに適した環境とは言い切れない部分も。
では、具体的に、どのようなことが問題点として挙がっているか、いくつか取り上げてみることにします。
テレワークに欠かせないのは、オンラインでのグループ会議です。
業務効率化や情報共有において、根幹とも言えるオンライン会議で何らかの支障があれば、テレワークの意味がありません。
オンライン会議における問題点としては、
が挙げられます。
オンライン会議はパソコンやスマートフォンを介して行いますので、対面と違って通信環境によっては対話のタイミングがズレたり、映像が止まってしまう問題があります。
また、ヘッドフォンやヘッドセットを使っていれば、自分の声のボリューム調整が上手くいかないこともあり、どうしても声が大きくなってしまいがちです。
ひとりの時は気兼ねすることは無いとしても、家族が在宅中であれば、会議中の声は、内容次第では聞かれたくないということもあるのではないでしょうか。
逆に家族の会話、特に子どもやペットの声をマイクが拾ってしまうこともあり得るため、自宅でのオンライン会議は落ち着かないという意見も聞かれます。
ゆえにテレワークにおいては、防音を考慮することが望ましいです。
会話の声が漏れにくい程度であれば、設計の段階で防音対策を盛り込めば快適なテレワークライフが実現できます。
具体的には、
など、様々な防音手段があるので検討する価値はあります。
住宅というのは、一般的には自宅内での作業に適した設計にはなっていません。
注文住宅においては、スモールビジネスのオーナーが自宅兼店舗を希望するということは珍しいことではありませんが、会社員など他の場所で勤務する働き方であれば、ライフスタイルに応じて建築するのは言うまでもありません。
したがって、テレワーク以外でも集中して取り組む必要がある場合、環境面では不十分です。
一部、前述しましたが、
といった、集中が難しいケースもあると言えます。
さらに交通量の多い道路、あるいは鉄道に面していれば、当然、走行音が定期的に耳に入ってきますし、通学路付近であれば登下校時の子ども声も聞こえてきます。
その他、飲食店やコンビニなど人が集まりやすいスポットが近ければ、にぎやかな時間帯というものが発生し、避けることはできません。
普段、留守にしている時間帯の日常が、返ってテレワークに集中できない環境だったというケースは、意外に多いものです。
そのような状況であっても、
といった、外部からの音が入りにくい場所を、テレワークスペースとするようにします。
在宅での仕事の際に、意外と盲点なのは資料を保管するスペースです。
参照する資料が多い、紙ベースで保管している書類が多いと、書棚が足りないという事態は起こり得ます。
さらに、職場で使っていた資料を自宅に持ち出したくても、機密の高い情報に関しては難しいことも考えられますので、不自由な面も出てきます。
職場と瓜二つの環境を再現することは難しいですから、できるだけデータをオンラインで参照できるようにする、必要最低限の範囲で書棚を買い足す、といった方法でしのぐしかありません。
それでも整理できない場合は、トランクルームを使う方法があります。
毎日使う資料は自宅に置いておき、それ以外は必要の都度、トランクルームから取り出せば、適度な外出の機会も得られて一石二鳥です。
ついでに、季節もの家電なども一緒にトランクルームで保管しておけば、生活の上での整理整頓も実現できます。
テレワークのスペースを間取りに取り込むならば、どのような条件が必要でしょうか。
職種によって条件は異なるため、共通する部分でしか言及はできませんが、少なくともここで述べるポイントが欠けてしまうと、テレワークの効率は望めません。
そのポイントとは、
です。
この3点を考慮することで最適化が図れます。
テレワークに必要な広さは4畳半から6畳です。
デスク、書棚、プリンター、コピー機、FAX、イスなど事務作業に必要な物を配置するだけなら4畳半でも十分な広さと言えます。
居住性も考慮するならば、180度のリクライニングが可能なゲーミングチェアがあれば、仮眠もとれますし、水分補給のためのウォーターサーバーや小型冷蔵庫を置いても窮屈にはなりません。
来客のためのソファやテーブルが欲しいならば、6畳ほどのスペースが適切です。
テレワークという範囲で言うならば、必ずしも必要な広さではありませんが、企業によっては、
といったことが想定されます。
一方で、将来的にはフリーランスや自営業への意思があるならば、あらかじめ広くしておくことも考え方のひとつと言えます。
前述しましたが、不必要な音が耳に入ると仕事に集中できないため、テレワークを行う部屋においては、防音対策はもちろんのこと、ある程度の独立性を持たせることが肝心です。
独立性とは、この記事では長い時間でも快適に過ごせる環境が備わっていることを言います。
適度に光が入るようにすることも重要で、外部からの目が気になる場合は、ブラインドやレースのカーテンを取り付けつけると気になりません。
空調や通信環境もテレワークには欠かせない要素であり、エアコンやWi-Fiは必須と言えます。
また、土地に余裕があれば、コンテナをテレワークスペースに活用する方法もあります。
テレワークでは会社での勤務同様に、さまざまな資料を必要する場合は、適度な保管や収納するスペースが欲しいところです。
しかしながら住宅における収納の問題は常に発生しており、その中でテレワークのためのスペースを確保することも難しい状況となれば、工夫は避けられません。
DIYが得意ならば、本棚や壁面収納などを自ら造作すると、注文住宅においては多少の費用を節約可能です。
また、テレワークのために設けた部屋の床下に収納スペースを作れば、書類意外に多くの資料を保管することができます。
個室を兼ねた部屋としてベッドを置くならば、ベッド下に引き出し収納を付けても良いです。
小上がりのある部屋が欲しいのならば、段差を活用して収納スペースを設けるといったことは、注文住宅ならではの工夫になります。
テレワークを進めるにあたっては、場所だけでなく、どのようなスタイルを理想とするかは、人によって変わります。
子育て中ならば室内が見渡せるオープンな場所が良いでしょうし、集中したい仕事が多いならば完全なる個室がベストです。
多少の生活音は気にしない、家族とわいわい楽しみながらやっていきたい場合は、共用可能なセミオープンも候補のひとつになります。
それぞれの理想のテレワークスタイルを間取りに反映することが重要です。
クローズドな間取りとは、書斎をイメージすると良いです。
というように、家族であっても立ち入って欲しくなく、かつ、完全集中したい方には、クローズドタイプがおすすめです。
デメリットは、家族とのコミュニケーションが取りづらいので、孤立してしまいがちな点です。
しかし、仕事という観点からすると、あらゆるジャンルに適応した環境を構築しやすいとあって、テレワークには最も適しています。
セミクローズドな間取りは、寝室やリビングなどの他の部屋の近辺に配置し、扉を付けずにオープンにします。
例えば、子育てや介護中なら家族の様子を見ながら作業ができるよう視界を確保することが肝心です。
家族の帰宅や来客への対応が多ければ、すぐにでも出入りができるよう、扉も無くすことも工夫のひとつになります。
一方で生活音や目線は完全に防ぐことはできませんが、家族とのコミュニケーションは取りやすくなりますが、機密性が要求される仕事に取り組むのは難しい面もあります。
オープンな間取りは壁も仕切りも扉も無く、もはや部屋と呼べないかもしれませんが、家族と共用が可能な多目的なスペースと言えます。
例えば、リビングやキッチン、階段を上がったホールの一区画に、テレワーク用のテーブルとイスだけを配置しただけでも、仕事をする上では不自由はないものと考えます。
家族との生活を感じながらテレワークを行う場合には最適です。
ただし、フルタイムでのリモートワークが多ければ、あまりおすすめではありませんが、副業など比較的短時間で済む場合は、オープンタイプは適しています。
テレワークを考慮した間取りは、注文住宅ならではのことです。
働き方が多様化している昨今においては、住まう人たちのニーズに合わせた住宅を手に入れることが、これからのトレンドな気がします。
ただし、テレワークに適した環境と使い勝手が得られなければ、作業効率や業務量に影響が及びます。
ゆえに、注文住宅のメリットでもあり強みでもある自由設計ならば、テレワークと生活の両立を実現するライフスタイルに相応しい住宅を手に入れることが可能です。
といったメリットもあります。
テレワーク専用のスペースをTで表現すれば、LDK+Tという間取りが、付加価値の高い住宅として市場に出てくることも期待されます。
NTTが約3万人を対象として、テレワークを基本とする勤務体系を発表したことは記憶に新しいところです。
これによって住処を自由に選べることもあって、地方移住を計画する社員も出てくるでしょう。
出勤にかけた時間を家族や個人に向けて割り振ることが可能となるわけです。
まさにテレワークと生活の両立が、これから求められることだと予感させる出来事のように感じます。
快適に暮らせる住まいから一歩進んで、快適な暮らしと仕事ができる住まいを望むなら注文住宅が理想的です。
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