マイホームについて考えるとき、2階建てか平屋か、どちらがいいのか悩んでいる方は多いものです。
さまざまなことが頭の中を駆け巡りますが、それだけ、どちらも魅力があるからこそと言えます。
そこで今回は、2階建てと平屋について、土地選び、建築コスト、税金といった部分で比較しながら、決断のサポートという目的でお伝えします。
2階建てに比べて平屋を建てる場合には、土地を選ぶ際に気を付けたいポイントが多くなります。
どのような点に注意すべきか、土地選びから比較してみます。
土地に建てられる建物の大きさの最大値は、都市計画法の用途地域ごとに定められた建ぺい率(*1)、容積率(*2)によって決まります。
(*1)建ぺい率・・・敷地の面積における建物を上から見た時の面積(建築面積)の割合。
(*2)容積率・・・敷地の面積における総床面積の割合。
建築面積と総床面積の関係は、
となります。
それを踏まえて、建ぺい率50%、容積率100%、200㎡の土地に建築する場合、
よって、平屋は100㎡、2階建ては200㎡までが許される面積です。
建物の大きさが決まっているならば、必要な土地の広さを逆算で求めることもできます。
仮に、100㎡の建物面積で建ぺい率50%、容積率100%であれば、
【平屋】
【2階建て】
建築面積は総床面積の1/2となるので、100㎡×1/2とします。
よって、平屋は200㎡の土地、2階建ては100㎡の土地の広さが目安です。
実際には、建ぺい率、容積率以外にもさまざまな制限が付帯していることが多いため、ここまで単純な計算とはなりません。
しかし平屋の方が、総じて広い土地が必要と考えてよいです。
平屋の場合は土地探しを始める前に、建物の設計をある程度固めて、サイズがどのくらいになるのかわかっているとスムーズです。
土地選びでは、立地の条件や周辺環境も重要です。
福岡県内でも利便性のよい場所には、高層マンションや背の高い商業施設も立ち並んでいる地域が多くあります。
平屋が建てられないわけではありませんが、広い土地がなかなか出ないこと、陽当たり、防犯性などを考慮すると、郊外の土地も視野に入れたいところです。
平屋は周囲の建物の高さで、陽当たりや眺望が左右されるので「(第一種または第二種)低層住居専用地域」がおすすめです。
周囲の建物が建て替えとなった場合でも、高さの制限があることから、環境は維持され続けます。
前述したように、平屋では土地の広さが大きく影響します。
法令上の条件以外にも、隣の建物次第で住環境も変わりがちです。
ある程度、隣家まで距離をとることができれば、陽当たりや湿気の問題も解消することができます。
万一、水災が起きた場合、2階建てならば貴重品を持って2階に避難することもできますが、平屋では逃げるしかありません。
土地選定の際には、水災が起こる可能性や避難所、避難ルートなどハザードマップ等で確認しておきましょう。
2階建てと平屋の建築コストについて比較します。
建築コストを比較する時は、
といった住まいづくりに関わる支出を合計すると、総合的にどちらがリーズナブルなのかを判断する目安に過ぎません。
福岡県でのライフスタイルや暮らしやすさの実現には、上記だけの条件も必要なため、予算を立てる目的での比較が良いです。
すでにご理解いただけたように、平屋には広い土地が必要となるので、同じ地域で同条件の土地を探す場合は、土地代金は平屋が高額傾向です。
参考:福岡県の土地購入情報(宅地・売地)| e土地net(イー土地ネット)
同じ部屋の広さでプランニングした場合、それぞれコストが増えるのは、
といったところになります。
1階と2階にトイレや洗面スペースを設置するならば、設備代金+坪数増加+2階へ給排水管設置費用のコストが増えます。
一般的には平屋の方が、希望する広さを確保した場合でも、2階建てに比べてコンパクトにまとまるため、相対的に金額はリーズナブルになる傾向が高いです。
その理由としては、
という点ですが、総床面積がコンパクトなこと、建物本体の中で基礎と屋根にかかるコストが大きいことによって、坪単価(*)で比較すると平屋の方が高くなります。
(*)坪単価・・・建物代金÷総床面積(坪)で算出する金額
「平屋は高い」といったイメージは、坪単価での比較の影響が考えられます。
必要な諸費用は同様ですが、土地代金が高くなると仲介手数料や土地に対する税金が高くなります。
また、平屋よりも2階建ての方が窓の枚数が増えるので、窓の枚数の差の分だけカーテンの費用がプラスされます。
どちらがリーズナブルと捉えるかは一概にはいえませんが、より相対金額がリーズナブルなのは平屋、建物の大きさに対する坪単価がリーズナブルなのは2階建てとなります。
平屋のメンテナンスでは、ほとんどの場合、足場を組み立てずに対応できます。
足場代金は見積金額の中でも大きな割合を占めるので、2階建てと比較して安く済ませることができます。
また、DIYでメンテナンスできる範囲が広くなる点もメリットです。
平屋であれば、屋根や雨どいの点検は脚立を使えば目視が可能で、状態が悪化する前に対応しやすいことが、2階建てには無い優位性です。
土地や建物に関する税金の計算に使われるのは課税標準額です。
平屋か2階建てかという階層だけではなく、建物の構造や外装材の種類、窓の数、内装の仕上げによっても評価額は上下するので、木造で外装、内装、デザインともにシンプルな家が最も固定資産税を節約できるといわれています。
固定資産税についての詳細は省きますが、目安として、
と考えると、比較がしやすいでしょう。
とはいえ厳密には、土地は路線価、建物は福岡市はじめ自治体による個別評価のため、あくまでも概算でしかありません。
ただし基礎と屋根の面積が広く、資材を多く使っている平屋は、2階建てに比べて資産価値の高い家と見なされるようです。
消費税は、建物金額に応じてかかりますから、比較がしやすいはずです。
土地には課税されません。
登録免許税は、土地建物を登記する時にかかる税金です。
固定資産税と同様に課税標準額に税率を掛けて計算しますので、前述の目安をもとに、およその金額がでます。
不動産取得税は、土地や建物を購入した時に一度だけ納める税金です。
登記が完了してから約半年後に納税通知書が届きます。
固定資産税と同様に課税標準額に応じて税額が決まるため、同じ大きさの家の場合、平屋の方が少し高めになる傾向があります。
身もふたもないことですが、福岡県内での理想の暮らしの実現には、どちらが有利かという観点で結論を出すほうが現実的ですし、満足度も高まります。
考え方としては、2階建てのメリットである、
といったことに優位性を感じれば、2階建てがふさわしいと言えます。
逆に平屋のメリットである、
などの点に魅力を感じれば、平屋を選択すればよいです。
2階建てと平屋にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
家族にとって最適な選択となるためには、まずライフスタイル、そして予算、家族構成など現実的な側面を考慮し、比較検討した結果なら、2階建てでも平屋でも満足度は高いはずです。
平屋を検討される場合には、広さに余裕のある土地、水災害の影響を受け難いエリアを選ぶ、といったことは理想とするライフスタイルにも大きく影響します。
コスト面では、建物本体金額は平屋、坪単価は2階建てがリーズナブルな傾向となりますが、予算と建物の特徴も含めて総合的に考慮しましょう。
ライフスタイルとの相性が良いのはどちらか、という視点が肝心です。
平屋住宅と2階建てそれぞれの土地探し、建築コスト、税金の違いについて解説しました。
平屋住宅は動線が短く、使い勝手が良いメリットがある反面、土地の選択には気を付けなければなりません。
2階建ては、家庭内でのプライバシーが守れる、建築に適した土地が多いなどのメリットがある反面、将来的にバリアフリー対策を考える必要があります。
最終的には、理想のライフスタイルにふさわしい建物はどちらか、という観点が重要です。
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