情報更新日:2025年10月27日
初回投稿日:2023年6月15日

福岡で家を購入する場合に、マイホームについて考えるとき、平屋か2階建てのどちらにするべきかで、どちらがいいのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
「平屋が使いやすそうだけど、土地が広くないとダメかな?」
「家族は階段のある家にあこがれを持っている」
「子どもが独立したら2階はどう使おうか...」
さまざまなことが頭の中を駆け巡りますが、それだけ、どちらにも魅力があるからこそと言えます。
そこで今回は、平屋のメリット・デメリットや平屋がおすすめな人の特徴、平屋と2階建てで迷った際の比較ポイントと平屋について、土地選び、建築コスト、税金といった部分で比較しながらなどを解説し、決断をのサポートしますのでぜひ参考にしてください。
福岡県で平屋の新築を検討する際には、その特性を十分に理解しておくことが大切です。平屋を建築するメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
平屋のメリットは、以下のとおりです。
ワンフロアで生活動線がスムーズになる
家族間のコミュニケーションがとりやすい
外壁や屋根の点検・補修がしやすい
平屋であれば、洗濯物を2階のベランダなどに運ぶ必要がなく、掃除機を持って階段を上り下りする手間もありません。階段のないワンフロアのため家事効率が向上し、小さな子どもから高齢者まで安心して暮らせるバリアフリーな住空間を実現できます。
また、平屋であれば同じ空間で過ごすことも多くなり、自然とコミュニケーションが活発になりやすいことも大きな魅力です。子どもの様子を見守り、声かけのしやすい距離感で生活できるため安心感があります。
さらに、シンプルな構造である平屋は外壁や屋根の点検・補修がしやすく、将来的なコストを抑えられる可能性が高いです。足場を組まずに作業できる範囲が広いことは、長期的に見て経済的なメリットとなるでしょう。
平屋のデメリットとして、以下の点があげられます。
土地取得代金が高くなる
各部屋の日当たりや風通しに差が出やすい
防犯面やプライバシーの確保に配慮が必要になる
水害リスクへの対策が欠かせない
平屋を建てる場合、広い土地が必要ですので土地取得代金が高くなります。同じ床面積を確保する場合、2階建てと比べて約2倍の敷地面積が必要です。福岡市内の利便性の高いエリアでは、土地代が高く、希望する広さの土地を見つけるのが困難な場合もあります。
また、ワンフロアのため、各部屋の日当たりや風通しを確保するには間取りや窓の配置に工夫が欠かせません。周囲に建物がある場合、特に南側に隣家があると採光に影響が出やすくなります。防犯面やプライバシーの確保も2階建てに比べて配慮が必要となり、すべての窓が地上階にあるため外部からの視線や侵入リスクへの対策が必要です。
さらに、福岡県内でも河川や海に近い地域などの水害リスクがある場所では、避難経路の確保や高基礎にするなどの対策も検討すべきでしょう。垂直避難ができない平屋では、事前のハザードマップ確認が特に重要です。
暮らす人のライフスタイルや価値観によって、平屋の魅力を最大限に活かせるかが変わってきます。福岡で平屋を選択することを、おすすめする人の具体的な特徴は以下のとおりです。
ワンフロアで快適な暮らしを追求したい人
土地の広さや自然環境を活かしたい人
将来を見据えた住まいを考えている人
それぞれ詳しく解説します。
平屋の特徴であるワンフロアを活かして、日々の生活で「快適さ」と「効率性」を重視する方に特に最適です。「洗濯物を干す」「料理をする」「掃除をする」などの家事動線が一直線になるため、移動が少なくスムーズに進めやすくなります。
また、朝の忙しい時間に1階と2階を行き来する必要がなく、階段からの転落リスクもないため、特に乳幼児や高齢者がいる家庭では大きな安心材料になります。
福岡県の郊外エリアでは、広い土地を確保しやすく、自然を身近に感じながら平屋を建てられます。宗像市や那珂川市、筑紫野市といったエリアでは、ゆとりある敷地を得やすいため、庭付きや中庭付きの設計にも適しています。
大きな庭を設けてガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、中庭を囲むコの字型やロの字型の住宅設計にして、プライベートなアウトドア空間を満喫したりすることも可能です。庭と室内の一体感を持たせることで、開放的で豊かな暮らしが実現します。福岡市中心部の喧騒から離れて、豊かな自然に囲まれた暮らしを望む方にも平屋は理想的です。
平屋は、住む人のライフステージの変化に柔軟に対応できる住まいです。子育て中は子どもがのびのびと過ごせる空間を提供し、親の目が届きやすい安心感があります。子どもが独立した後は、夫婦二人の暮らしに合わせた間取り変更も比較的容易です。使わなくなった部屋を趣味のスペースやゲストルームに転用するなど、ライフスタイルに応じた住まいへと進化させられます。
また、年齢を重ねて身体機能が低下しても、階段の昇降がないため安心して生活を続けられます。車椅子での移動も想定しやすく、将来的なバリアフリー化の費用も2階建てに比べて抑えられるでしょう。

平屋の建築を成功させるには、事前の計画が何よりも重要です。後悔のない家づくりのために、以下の5つのポイントをしっかりと押さえておきましょう。
家族構成とライフスタイルに合わせた間取りを計画する
採光や通風を意識した設計にする
十分な収納を確保しておく
防犯・プライバシー面に配慮して設計する
水害や災害リスクを事前に確認しておく
それぞれ詳しく解説します。
平屋を建てる際は、現在の家族構成だけでなく、将来的なライフスタイルの変化まで見据えた間取り計画が不可欠です。例えば、子ども部屋は将来的に仕切れるようにしたり、逆に壁を取り払って広い空間にできるようにしたりと、可変性を持たせることが重要です。
また、無駄のない効率的な生活動線を設計することで、日々の暮らしの満足度が高まります。キッチンから洗濯室、物干し場への動線、寝室からトイレ・洗面所への夜間動線など、実際の生活シーンを具体的にイメージしながら計画を進めましょう。
平屋はワンフロアであるため、特に周囲の建物との関係性で日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。隣家が2階建ての場合、南側の採光が遮られることも考えられるため、土地選びの段階から周辺環境をよく確認することが大切です。
また、夏は涼しく冬は暖かい住まいを実現するため、南面に大きな窓を設けて冬の日差しを取り入れ、軒を深くして夏の強い日差しを遮るなど、季節に応じた工夫が求められます。
中庭を設けて光と風を効果的に取り入れたり、高窓やトップライト(天窓)を活用して、家全体に明るさと開放感をもたらす設計にしたりするのも有効です。プライバシーを守りながら採光を確保できる中庭は、平屋ならではの贅沢な空間演出と言えるでしょう。
平屋建築では、収納の確保も重要なポイントです。平屋は2階建てに比べて延床面積がコンパクトになるため、その分収納に使えるスペースが限られてしまいます。収納不足は住み始めてから後悔しやすいポイントの一つであり、生活の快適さに直結します。また、各部屋のクローゼットだけでなく、以下のような生活用品を効率的に収める計画を立てましょう。
家族みんなで使えるファミリークローゼット
季節家電・アウトドア用品などをしまう納戸
食品や日用品をストックするパントリー など
動線上に適切な収納を配置することで、片付けやすく散らかりにくい住まいが実現します。収納が少なくなると、結果的に大きめの倉庫を外部に設置することになり、使える庭スペースが限られます。十分な収納スペースを確保できるように、計画段階でしっかりイメージしておきましょう。
平屋は外部からの視線や侵入経路が1階に集中するため、防犯・プライバシー対策が欠かせません。窓の配置を工夫し、外部からの視線が気になる場所には型板ガラス(すりガラス)やルーバーを取り入れたり、シャッターや面格子を設置したりするなどの目隠し対策を検討しましょう。特に浴室や寝室など、プライバシー性の高い空間の窓配置には細心の注意が必要です。
ホームセキュリティシステムの導入も、有効な対策の1つです。センサーライトや防犯カメラ、窓・ドアセンサーなどを組み合わせることで、安心して暮らせる環境を整えられます。
また、外構計画で目隠しフェンスや植栽を活用することで、外部からの視線を遮り、家族のプライベートな空間を守れます。ただし、防犯性とのバランスも重要で、外から全く見えない完全な密閉空間にすると逆に死角が増えるため、適度な開放感を保ちながら計画することが大切です。
福岡県内で平屋を建てる場合、ハウスメーカーの担当者に聞いたり自身でハザードマップを確認したりして、水害や土砂災害のリスクがある地域を事前に確認しておきましょう。また、福岡県のなかでは台風や集中豪雨による浸水被害が発生する地域も多くあり、河川沿いや低地では特に注意が必要です。
万が一の災害に備え、土地の標高や周囲の状況を確認し、必要に応じて「高基礎にする」「避難経路を確保する」などの対策を検討しておきましょう。また、家族間での避難計画の共有が、安心して暮らすための重要なポイントとなります。最寄りの避難所や避難ルート、避難のタイミングなどを家族で話し合い、いざという時に迅速に行動できるよう準備しておきましょう。
以下の記事で福岡県の土地選びの重要ポイントを詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
平屋と2階建てで迷った際には、それぞれの特徴を比較してみるのがおすすめです。具体的には、以下の4つのポイントを比較します。
土地の広さ
立地や周辺環境
建築コスト
税金
それぞれ詳しく解説します。
土地に建てられる建物の大きさの最大値は、都市計画法の用途地域ごとに定められた建ぺい率(*1)、容積率(*2)によって決まります。
(*1)建ぺい率:敷地の面積における建物を上から見た時の面積(建築面積)の割合
(*2)容積率:敷地の面積における総床面積の割合
建築面積と総床面積の関係は、
平屋:建物面積=総床面積
2階建て:建物面積×2=総床面積(※1階と2階の形状が同じで床面積も同じになる総二階建ての場合)
となります。
それを踏まえて、建ぺい率50%、容積率100%、200㎡の土地に建築する場合、
建ぺい率による制限 200㎡×50%=最大100㎡
容積率による制限 200㎡×100%=最大200㎡
よって、平屋は100㎡、2階建ては200㎡までが許される面積です。
建物の大きさが決まっているならば、必要な土地の広さを逆算で求められます。
仮に、100㎡の建物面積で建ぺい率50%、容積率100%であれば、以下のようになります。
【平屋】
建ぺい率による制限:100㎡÷50%=200㎡
容積率による制限:100㎡÷100%=100㎡
【2階建て】
建築面積は総床面積の1/2となるので、100㎡×1/2とします。(※1階と2階の形状が同じで床面積も同じになる総二階建ての場合)
建ぺい率による制限:(100㎡×1/2)÷50%=100㎡
容積率による制限:100㎡÷100%=100㎡
よって、平屋は200㎡の土地、2階建ては100㎡の土地の広さが目安です。
実際には、建ぺい率、容積率以外にもさまざまな制限が付帯していることが多いため、ここまで単純な計算とはなりません。
しかし平屋のほうが、総じて広い土地が必要と考えてよいです。
平屋の場合は土地探しを始める前に、建物の設計をある程度固めて、サイズがどのくらいになるのかわかっているとスムーズです。
平屋か2階建ての建築を検討する際には、立地や周辺環境も注意してみましょう。主には土地に関することですが、以下のようなポイントを比較します。
利便性
用途地域
防災
それぞれ詳しく解説します。
福岡県内でも利便性のよい場所には、高層マンションや背の高い商業施設も立ち並んでいる地域が多くあります。
平屋が建てられないわけではありませんが、広い土地がなかなか出ないこと、日当たり、防犯性などを考慮すると、郊外の土地も視野に入れたいところです。
交通アクセスが良好ながらも、土地にゆとりがあり自然を感じられる福岡市郊外や近郊の地域も、平屋のメリットを最大限に活かす上で魅力的な選択肢となります。
平屋は周囲の建物の高さで、日当たりや眺望が左右されるので「(第一種または第二種)低層住居専用地域」がおすすめです。
周囲の建物が建て替えとなった場合でも、高さの制限があることから、環境は維持され続けます。
万一、水災が起きた場合、2階建てならば貴重品を持って上に避難できますが、平屋では家から離れるしかありません。
土地選定の際には、水災が起こる可能性や避難所、避難ルートなどをハザードマップなどで確認しておきましょう。

2階建てと平屋の建築コストについて比較します。
具体的な建築コストには、以下のような費用があります。
土地価格
建物本体価格
諸費用
維持費(メンテナンス費用)
このような住まいづくりに関わる支出を合計して、予算に合わせた家選び・家作りを進めるのがいいでしょう。
各費用を詳しく解説するので、参考にしてみてください。
平屋には広い土地が必要となるので、同じ地域で同条件の土地を探す場合は、土地代金は自然と平屋のほうが高額になります。
そのため、福岡で平屋を検討する際は、市中心部から少し離れた郊外や、土地価格が比較的抑えられるエリアも視野に入れることで、理想の平屋を実現しやすくなるでしょう。土地選びの段階で、建物の規模と予算を明確にすることが肝心です。
参考:福岡県の土地購入情報(宅地・売地)| e土地net(イー土地ネット)
以下の記事でも福岡県の土地価格について詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
関連記事
【2025年版】福岡県の注文住宅は高くなる?最新路線価による価格と土地探しの影響を考察
同じ部屋の広さでプランニングした場合、それぞれ以下の点で建築コストが増える傾向にあります。
平屋:基礎と屋根の面積が広くなるため資材が多く必要となる
2階建て:階段やホールなどで平屋より4~5坪分大きくなり、建築面積が増える
1階と2階にトイレや洗面スペースを設置するならば、設備代金+坪数増加+2階へ給排水管設置費用のコストが増えます。
同じ延床面積で希望する生活空間を確保しようとした場合、一般的には2階建てより平屋のほうが以下のような理由により建築コストが リーズナブルになる可能性が高いです。
すっきりとしたシンプルな間取りにできる
階段、ホール等のスペースを考慮する必要がない
給排水の配管、電気の配線などが短くて済む
総床面積がコンパクトなこと、建物本体のなかで基礎と屋根にかかるコストが大きいことによって、坪単価(*)で比較すると平屋のほうが高くなります。
(*)坪単価:建物代金÷総床面積(坪)で算出する金額
「平屋は高い」といったイメージは、坪単価での比較の影響が考えられます。
以下の記事では福岡県の注文住宅の坪単価に関して詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
【2024年版】注文住宅の坪単価から何がわかる?福岡県で土地探しと住宅相場を読む
必要な諸費用は同様ですが、土地代金が高くなると仲介手数料や土地に対する税金が高くなります。
また、平屋よりも2階建ての方が窓の枚数が増えることが多いので、窓の枚数の差の分だけカーテンの費用がプラスされます。
どちらがリーズナブルと捉えるかは一概にはいえませんが、より相対金額がリーズナブルなのは平屋、建物の大きさに対する坪単価がリーズナブルなのは2階建てとなります。
平屋のメンテナンスでは、ほとんどの場合、足場を組み立てずに対応できます。
足場代金は見積金額の中でも大きな割合を占めるので、2階建てと比較して安く済ませることができます。
また、DIYでメンテナンスできる範囲が広くなる点もメリットです。
平屋であれば、屋根や雨どいの点検は脚立を使えば目視が可能で、状態が悪化する前に対応しやすいことが、2階建てには無い優位性です。

土地や建物に関する税金の計算に使われるのは課税標準額です。
平屋か2階建てかという階層だけではなく、建物の構造や外装材の種類、窓の数、内装の仕上げによっても評価額は上下するので、木造で外装、内装、デザインともにシンプルな家が最も固定資産税を節約できるといわれています。
固定資産税は、以下のように土地と建物で分けて考えます。
土地:示価格の70%
土地:公示価格の70%
建物:福岡市は再建築価格をが基準にしてで約70%
厳密には、土地は路線価、建物は福岡市はじめ自治体による個別評価のため、あくまでも概算でしかありません。
ただし基礎と屋根の面積が広く、資材を多く使っている平屋は、2階建てに比べて資産価値の高い家と見なされるようです。
固定資産税に関しては、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
関連記事
【2024年版】固定資産税は住宅と土地の値段から計算可能!福岡市に住むならいくら?
消費税は、建物金額に応じてかかりますから、比較がしやすいはずです。
土地には課税されません。
登録免許税は、土地や建物の購入時や新築時に、その所有権を登記する際に国に納める税金です。
固定資産税と同様に課税標準額に税率を掛けて計算しますので、前述の目安をもとに、およその金額が算出できます。
不動産取得税は、土地や建物を購入した時に一度だけ納める税金です。
登記が完了してから約半年後に、納税通知書が届きます。
固定資産税と同様に課税標準額に応じて税額が決まるため、同じ大きさの家の場合、平屋のほう方が少し高めになる傾向にがあります。

福岡県内での理想の暮らしを実現するには、両者のメリットを比較して、どちらにより魅力を感じるかを考えるのがおすすめです。また、自身のライフスタイルをもとに検討することも重要です。
2階建てには、以下のメリットがあげられます。
限られた土地でも居住空間を広く確保できる
2階からの眺めが良い
2階に寝室やプライベート空間を配置することで家族間のプライバシーを確保しやすい
坪単価が平屋よりも安くなる場合がある
このような特徴に優位性を感じれば、2階建てがふさわしいと言えます。
一方で、平屋のメリットは、以下のとおりです。
ワンフロアで生活動線がスムーズになり、移動の負担が少ない
高齢による身体機能の低下があっても住みやすい
火災などの緊急時の避難経路がわかりやすく、安全に脱出しやすい
ワンフロアで生活するため、家族間のコミュニケーションが取りやすい
などの点に魅力を感じれば、平屋を選択すればよいです。

平屋住宅は動線が短く、使い勝手が良いメリットがある反面、土地の選択には気を付けなければなりません。
2階建ては、家庭内でのプライバシーが守れる、建築に適した土地が多いなどのメリットがある反面、将来的にバリアフリー対策を考える必要があります。
最終的には、理想のライフスタイルにふさわしい建物はどちらか、という観点が重要です。
福岡県で2階建て、平屋それぞれに適した土地探しはリブワークのe土地netにお任せください。
また、福岡県で新築一戸建て(注文住宅)を建築される方で土地情報をお求めの方はリブワークにぜひご相談ください。
