住宅を新築した時は、火災保険に新規加入する必要があります。
火災保険は、「万が一、火事が起きた時に保険金がおりる」イメージはあっても、それ以外での補償については詳しく知られていないことも多いものです。
近年、日本では自然災害によるリスクも高まってきています。
必要な補償を備えた契約になっているのか、被害に対する補償の認識が間違っていないかなど、火災保険の基礎知識について解説します。
火災保険は、外構を含む建物が補償範囲となる保険で、大きく二つに分けられます。
ただし保険会社によっては補償内容が異なることもあるため、あまでもイメージとしてとらえておいてください。
実際の補償に関しては、すでに契約している保険会社が発行する保険証書や約款などで確認するよう、お願いします。
では、住宅火災保険と住宅総合保険の違いがわかるように、一覧表で表すことにします。
それぞれの補償範囲は下記のとおりです。
住宅火災保険 | 住宅総合保険 | |
火災 | 〇 | 〇 |
落雷 | 〇 | 〇 |
ガス爆発などの破裂・爆発 | 〇 | 〇 |
水災 | × | 〇 |
風災・ひょう災・雪災 |
× | 〇 |
自動車の飛込み等による飛来・落下・衝突 | × | 〇 |
給排水設備の事故等による水漏れ | × | 〇 |
騒じょう等による暴行・破壊 | × | 〇 |
盗難 | × | 〇 |
※風災・ひょう災・雪災・水災は一部自己負担を要することが大半です。
引用: 火災保険|日本損害保険協会
火災保険は建物と家財に、それぞれ分けて契約することが定番です。
建物=住宅と考えて良いですが、家財については、
などがあり、これらが災害などで使い物にならなくなった場合は「家財の補償」でカバーするしくみがあるわけです。
ただし、自動車、バイク、ノートパソコンなど、自宅から持ち出して使うことが前提のものや、30万円以上の高額商品については対象外になります。
建物にはどのような補償があると良いか、家財はどこまで保険でカバーするかなど、これは個々の判断にゆだねられます。
詳しくは保険会社とご相談ください。
火災保険の補償対象となる自然災害は、雪災、風災・ひょう災、水災です。
それぞれが直接の原因となった損害に加えて、自然災害を原因として起きた二次被害も補償対象となります。
「火災保険 住宅物件事故種別支払統計表」の2020年度を見てみると、自然災害による保険事故発生件数は355,498件です。
この数字は、住宅物件全体の事故の約49%と、ほぼ半数を占め、いかに自然災害による損害の割合が多いことが見て取れます。
ちなみに自然災害による保険事故の内訳は、
となっており、件数の多い風災(台風、旋風、竜巻、暴風等)の被害は、やはり要注意と考えることができます。
なお、火災、破裂・爆発による事故件数は7,618件と、数字としては意外にも低いことから、自然災害による補償の充実が最優先と言えそうです。
自然災害で使われる用語には、大まかには以下のような意味が含まれています。
実際の損害例としては、
といったことが挙げられます。
自然災害による損傷部分からの二次被害も補償対象であり、例としては下記のようなものがあります。
ここで挙げた事例は、あくまでも一例に過ぎません。
もしも、自然災害により被害が発生した場合は、すみやかに保険会社と連絡が取れるようにしておきましょう。
火災保険は生命保険などのように、設定した保険金額の全額が支払われるしくみではありません。
詳細は省きますが、
のいずれかをもとにして契約金額を設定し、保険会社が損害状況を確認した上で支払い額が決定します。
また保険事故が起こった場合、保険金の請求手続きをして支払われるまでの期間は、原則として30日以内というのが「保険法」により定められています。
しかし損害状況などにより支払われるまでの期間はケースバイケースです。
保険金の請求金額が大きくなるほど、30日を超えることがあるとということだけでも知っておきましょう。
地震保険は火災保険に付帯、つまりセットでの契約が可能となります。
気を付ける点としては補償金額の上限は火災保険額の1/2であり、地震保険単体での契約はできないことです。
日本は世界有数の地震大国と言われるほど地震発生率が高く、世界で起きるマグニチュード6以上の地震のうち、約2割が日本周辺で発生(※1)しています。
また、巨大地震が起きる確率もニュースで度々取り上げられており、その危険性は全国各地に及んでいます。
震度1以上の地震は1年間に1000~2000回(※2)起きているという統計も出ています。
地震や噴火、さらにはこれらによる津波が引き起こした損害(火災、損壊、埋没、流出)は、ほぼ地震保険で補償されますが、
などは対象外です。
地震保険の必要性については、絶対とは言いませんが、保険料も高額ではないことからもセットでの検討が安心できるものと考えます。
出典
「火災保険を使って住宅を修理」「保険金を利用すれば無料でリフォームできます」といった謳い文句で保険金の申請サポートを持ちかけてくる業者とは、安易に契約しないようにしましょう。
何も知らずに契約した結果、不審な点や高額な手数料が発覚して申請サポートの解約を申し出ても、解約はできないと言われて困っているといった相談が増えています
火災保険が適用となるかどうかは、工事業者や契約者本人が判断できるものではなく、保険会社のみです。
「保険で直せる」と業者から持ち掛けられた場合は、業者とのリフォーム契約を結ぶ前に、必ず保険会社や保険代理店へ相談してください。
その上で、保険金請求を契約者自身が保険代理店のサポートを受けながら請求手続きで行うようにします。
大抵の場合は、保険金を受け取った後でも、工事の見積もりや契約の交渉をしても遅くはないはずです。
火災保険の請求から補修工事までの基本的な流れについて解説します。
被害状況によっては、補修工事を先行することもありますが、ここではオーソドックスなケースを前提にしています。
詳細は代理店などに確認してください。
最後に火災保険金について、一般的な注意点を、ざっと挙げておきます。
【申告時】
保険鑑定人の調査時に、損害を正確に伝えられるよう状況や損害箇所を整理しておきましょう。
【免責
自然災害による損害については免責金額が設けられていることが大半です。
補修見積もりが免責金額を下回る場合は保険を利用することはできません。
ただし、同じ災害によって別の箇所にも損害が出ている場合は、金額を合算することができます。
【請求期限】
保険請求ができるのは、損害を受けた日から3年以内と保険法で定められています。
時間が経ちすぎると損害を受けた原因の特定が難しくなるからです。
逆に考えると、申請までに3年間の猶予期間があることになります。
ただし、損害部分をそのままにしておくと二次災害などの危険性から、先に現場を片付ける必要がある、補修工事を急いで行わなければならないというケースでは、補修工事終了後でも申請が可能です。
【補修工事】
補修工事を先行する場合は、必ず、補修前に被害状況の確認ができるよう写真を撮影しておくこと、被害状況を説明できる内容をメモしておくと良いです。
火災保険は申請すれば何度でも使えますが、申請して保険金を受け取った箇所が未修理のままの場合、同じ箇所に損害を受けても補償されないため補修は速やかに行いましょう。
火災保険における自然災害、その補償範囲や請求の流れ、請求時の必要書類などについて解説しました。
契約した火災保険の補償範囲内であるにも関わらず、気づかずに自己負担で補修してしまっているケースも多くあります。
損害を受けた場合には、保険会社や代理店へ忘れず連絡し、申告漏れのないように心がけましょう。
熊本県・福岡県・佐賀県・大分県・神奈川県・千葉県での注文住宅の火災保険のご相談についてはリブワークのe土地netにお任せください。
また、熊本県・福岡県・佐賀県・大分県・神奈川県・千葉県で新築一戸建て(注文住宅)を建築される方で、土地情報についての情報をお求めの方はリブワークにぜひご相談ください。