近年見聞きすることが増えてきた不動産テック。
一体、どのようなサービスなのか、わかりづらい印象をお持ちの方は多いです。
なぜ不動産テックが注目されているのかと言えば、国内の不動産市場に大きな変化と進化をもたらす可能性を秘めていることにあります。
実際に可能性の範囲を超えて、導入が進んでいる不動産業者あるいはハウスメーカーは、一定の成功体験を積み上げています。
業界内だけでなく、新築物件の建築や購入を検討している人にとっても取引における利便性の向上など、不動産テックで得られるメリットは少なくありません。
一般社団法人不動産テック協会によると、
不動産テック(Prop Tech、ReTech:Real Estate Techとも呼ぶ)とは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと。
と定義されています。
不動産業界は、昔ながらのアナログな仕事の進め方が根強く残っており、取引も複雑で旧態依然としたイメージからの脱却が急務です。
ITの力を取り入れることで、不動産取引の効率化や正確な情報の伝達、不動産の過去の履歴の確認、自宅にいながら物件を内見といったことが可能になるなど、サービスが全般的に向上することが見えてきます。
つまり不動産テックとは、テクノロジーを活用して不動産と人をつなぐ、手段と言えます。
2018年7月10日に不動産テック協会が設立されています。
その目的としては、
と記載されており、賛同する企業も年々増え続け、2022年11月11日時点で116社が加盟しています。
加盟企業を含む、不動産テックとかかわりのある企業を12のカテゴリーに分けて図式化したカオスマップが掲載されています。
各カテゴリーのサービス内容については、下記リンクを参照してください。
不動産テック カオスマップ|不動産テック協会
実際に不動産テックによって、どのような効果がうまれるのか知りたいと考えるのは当然のことです。
そのひとつとして、より早く、多くの必要な情報にたどりつけることが挙げられます。
その他にも、新築の建築や購入という視点で、どのようなメリットが生まれるのか、前述した12のカテゴリーから4つをピックアップしてお伝えします。
マイホームの新築や購入は、人生でも一大イベントであるため、後悔や失敗は一生ものです。
そのため多大な労力と時間を要しているのが現状ですが、不動産テックによって、次のようなメリットが期待されています。
現状、全ての不動産の物件情報を顧客自身が検索することはできません。
不動産業者が個別に持っている情報が多々あり、顧客に合わせた情報を限定的に提示することが通例となっているためです。
不動産テックの導入によって、情報の偏りをクリアにすることができます。
仲介業務は、大きく分けると顧客管理、物件管理、契約の3つの業務があります。
まず、顧客管理では、ニーズの引き出しや物件提示、スケジュール調整やチャットが可能なアプリの利用や、顧客の行動タイミングに合わせた情報提供を行うサービスが期待されます。
次に、物件管理では内見の予約受付をWEB上で管理し、スマートフォンを用いて施錠開錠を行う「スマートロック」システムの導入で業務負担を減らすことが可能です。
最後に、契約では電子契約が徐々に浸透しています。
ただし、全ての不動産の契約が対象ではないので注意が必要です。
住宅購入の場合には、年収や支払い可能額から住宅ローンの返済シミュレーションを行う比較サイトやその結果を用いたおすすめの金融機関の提示、住宅ローンの借り換え試算が可能となります。
また、賃貸住宅の場合の与信審査へも利用されています。
国土交通省で不動産IDルール検討会が行われています。
これは、不動産一つ一つ(マンション等は一部屋一部屋)にIDを付与し、不動産のデジタル化に向け、役所・所有者・工事業者など、それぞれが持っていた情報を紐づけし一元管理することが目的です。
住まいの履歴書のようなイメージされるとわかりやすいでしょう。
これによって、今まで仲介業者から教えてもらうしかなかった情報を入手できるようになります。
最大のメリットは、クローズだった情報がオープンになることです。
業者側との情報格差が埋まることで、より公平に公正な取引が可能となります。
マイホームに関しては、思っていたのと違うということは、絶対に避けたいところです。
いま、どうして不動産テックに注目が集まっているのでしょうか。
昔から一貫として変わらない来店による対面での相談や取引、紙で作られた分厚い契約書、時間のかかる重要事項説明など、商慣習に変化が見られない不動産業界だからこそという面があります。
さらに、どの業界においても、コロナ禍の影響でテレワーク人口が増加し、顧客ニーズにあわせて非対面でのサービスへと移行が進んでいる中で、不動産業界も波に乗らざるをえなかった背景があったと言っても過言ではありません。
それに伴い、業務フローの見直し、不透明だった情報のクリア化、デジタル契約の導入など、伸びしろのある大きなビジネスチャンスが多くあり、IT業界も注目を集めるようになったわけです。
では、なぜ不動産業界は昔ながらのアナログな業務形態が続いていたのでしょうか。
原因として考えられるのは、以下の3点です。
しかし、デジタル改革関連法の整備として、改正された宅建業法が2022年5月18日に施行されたことで、状況は一変しつつあります。
改正によって、宅地建物取引士の重要事項説明書や、売買契約等の交付書面への押印が不要、さらに電磁的方法による書面交付が可能となったことなど、非常に大きな転換への一歩となったわけです。
法改正により、不動産業界全体の足並みがそろい、不動産テックを取り入れるスピードが一段と加速していくことが考えられます。
実際に不動産テックを取り入れて、以下のように活用が進んでいる例も多く見られるようになっています。
不動産テックの中でも注目度の高いサービスは、インターネットやVRを活用した展示場です。
特にVR展示場は、その名の通り疑似体験が売りとなっていることから、文字情報や設計図などでは得られない、生活導線を含めた空間をチェックできる点がポイントになります。
建売住宅であれば現地で空間のチェックは可能ですが、注文住宅となると家そのものがないため確認の術がありません。
VRであれば、そのような問題も解消され、引き渡し後に後悔するといったことがなくなります。
自宅にいながら、ハウスメーカーのモデルハウスやマンションのモデルルームを見学できる取り組みもはじまっています。
開場時間に時間がとれない、子連れで行くのは大変だといった動きづらさを感じることもなく、無料で見学が可能です。
ハウスメーカーの総合住宅展示場は、全国に380か所以上ありますが、同一メーカーのモデルハウスでも、総合展示場自体のコンセプトや地域性に合わせているため、多少、違う建物が展示されています。
同一都道府県内や市内の建物は実際に訪れることができても、都合により遠方への引っ越しが確定しているケースなどでは、簡単ではなくなります。
しかし、インターネット展示場であれば、そのような問題も早期に解決できる可能性が高まることがメリットです。
その他にも、簡易的な見積もりが作成可能なインターネット展示場もあり、住宅設備、外壁のタイプを選択していくと自分の選んだ設備の搭載された家がWEB上で再現され、室内も確認することができます。
概算金額も算出されるため、予算との比較、ローンシミュレーションなども可能なケースもあります。
インターネット展示場よりもさらに臨場感を体験できるのがVR展示場です。
顧客にとっては、まるで建物の内部に入っているかのような感覚を味わうことができます。
また建築会社やハウスメーカーにとっても、運営コストに大きなメリットがあります。
モデルハウスは、一般的に10年以内で解体し、新商品へと建て替えますが、建築費用や出展料を含む維持費用が高額なため、VR展示場を取り入れることで、それらの費用の削減が可能なわけです。
注文住宅においては、間取りを体感できるツールとして使うことが、最も重要になります。
ニーズをふまえて設計された家に住んだ場合に、イメージを誰でも容易につかむことができます。
機能によっては、手持ちの家具や購入予定の家具の配置、内装のカラーコーディネートの検討も可能です。
顧客の購買意欲の上昇や競合メーカーとの差別化だけでなく、住んでみてからのイメージ相違によるクレーム防止も大きな役割となっています。
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不動産テックの成り立ちやすでに実用化されている技術、サービス、さらにデジタル化への遅れの原因などについてお伝えしました。
不動産業界はデジタル化に向け動き始めたばかりですが、アナログな事業形態からの脱却や情報の透明化、関係する法律の整備など着実に前へ進んでいます。
不動産テックは、大きなビジネスチャンスと可能性を秘めた取り組みです。
今後ますます、新たな業種へ活路が見いだされて、発展、広がりを期待していきたいところです。
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