注文住宅を建てる際には「コスト」「デザイン」「長期保証」など、こだわるべきポイントは多くなりがちですが、今後は「性能」の重視をおすすめします。
省エネや環境への配慮から、高いレベルの断熱性・耐震性などを求められ、実際に新築時の基準は徐々にレベルアップしているのが現状です。
快適な生活を長く続けるカギは、もはや住宅性能は欠かせない視点といえます。
そこで今回は、住宅性能の重要性、注文住宅で建築可能な住宅の種類、迷ったときの判断ポイントについて解説します。
注文住宅では、デザインや間取りにこだわるように、住宅性能についても同様な姿勢が求められます。
住宅性能は、快適な住環境を維持するうえで欠かせない基本的な仕様であり、安心安全に暮らし続けるためには、断熱性や気密性、耐震性などの重要性を認識すれば、満足度の高い住宅を手に入れられます。
日銀のゼロ金利政策撤廃により、長らく一定だった住宅ローンは上昇傾向となり、加えて長期化も予想される物価高、地価や建築資材の高騰などで、注文住宅新築のハードルは高まっています。
金利については着工時点より、実際に住宅ローンの融資決定時、つまりは引き渡しが行われた時点のほうが高くなっているケースも想定しなければなりません。
金利の変動によって、月々の返済額が当初の予定と異なるリスクだけでなく、光熱費や食費など、生活に必要不可欠な支出の増加もしばらく続くでしょう。
光熱費を抑えるには、もはや節電だけでは追い付かず、住宅の断熱性能が大きく影響してくるのは言うまでもありません。
断熱性能が高ければ、外気温に左右されず快適な空間を維持できるため、ムダな光熱費の浪費を防げます。
前述のように、断熱性が高い家は光熱費の低減には有効で、太陽光発電を組み合わせると、自家消費によってランニングコストを大きく下げられます。
そのため高性能住宅は、上がり続ける光熱費対策としては欠かせません。
特に昨今の夏場、全国的に猛暑日が続いている状況を考えると、エアコンも24時間稼働でなければ室内での熱中症誘発にもなりかねず、ますます電気への依存と費用負担は増すばかりです。
複数のエアコンの消費電力の一部でも、太陽光発電よる自家消費でカバーできるのならば、コスパのよい住宅になるのは間違いありません。
高断熱と高気密の住宅は、そもそも室内の空気を外に漏れにくくするだけでなく、外気をシャットダウンする特性上、少ないエネルギーで室内を一定温度に保つだけでなく、有害物質や花粉の侵入を防ぎ、ペットや小さな子どもがいる家庭でも安心です。
高性能住宅は、住み始めてからコスパが良くなるため、各ハウスメーカーも積極的に供給しています。
まずは熊本県内で立地と価格のバランスが取れた土地を探しましょう。
代表的な高性能住宅は、4つに分類するとわかりやすくなります。
それぞれ特徴を解説します。
認定住宅とは、国土交通省が認定した高性能住宅のことで、「認定長期優良住宅」と「認定低炭素住宅」の2種類があります。
安全に長く住める住宅と低炭素で環境に優しい住宅の普及を目的としており、耐久性・省エネ・劣化対策など、認定の際には厳しい基準が求められます。
国土交通省が認可するため、住宅ローン控除・所有権保存登記・不動産取得税・固定資産税で非常に有利です。
制度内容 |
認定長期優良住宅 |
認定低炭素住宅 |
住宅ローン控除限度額 |
4,500万円 子育て世帯・若者夫婦世帯:5,000万円 |
|
登録免許税の税率 |
所有権保存登記 所有権移転登記 |
所有権保存登記 所有権移転登記 |
不動産取得税の控除額 |
1,300万円 |
1,200万円 |
固定資産税1/2減額の適用期間 |
5年 |
3年 |
その他、認定住宅では住宅ローン金利の引き下げ、返済期間上限50年、地震保険料の割引の適用がありますので、詳しくはハウスメーカーに確認してください。
ZEHとは、太陽光発電と高性能住宅を組みわせて生活に必要なエネルギーを、実質ゼロにできる性能を有する住宅を指します。
2030年以降から全ての新築住宅はZEH基準の性能が求められるため、今の時点でZEHを選択する世帯も増えています。
そのため経済産業省および環境省は、ZEHのレベルに応じて次のような補助金制度を実施中です。
ZEHの種類 |
補助金額の上限 |
ZEH・Nearly ZEH・ZEH Oriented |
55万円/戸 |
ZEH+・Nearty ZEH+ |
90万円/戸 |
ZEHについては、住宅ローン減税やフラット35Sでも有利な面があるため、前向きに検討をおすすめします。
なお後述する省エネ基準適合住宅よりもさらに高い基準を満たすことが求められています。
2025年4月以降の全ての新築住宅を対象とする認定基準で、断熱性や一次エネルギー消費量が一定の基準を満たさなければなりません。
認定住宅やZEHほどの税制優遇はありませんが、住宅ローン控除の限度額が3,000万円まで、最大160万円の補助金を受けられるなどメリットはあります。
しかし2030年のZEH基準をきっかけに、性能が満たない場合は改修を求められる可能性も否定できませんので、将来的にはZEHに近い性能にいる計画をハウスメーカーに相談しておきましょう。
上記3つのどれにも該当しない住宅は「省エネ基準を満たさない住宅」となり、2025年4月以降は建築できないようになっています。
注文住宅の新築ではなく、省エネ基準を満たさない中古住宅を購入する方向性になったとしても、条件に応じた対応次第で住宅ローン減税の適用を受けられます。
一覧にまとめてみました。
条件 |
対応手段 |
1982年(昭和57年)以降に建築された住宅 |
登記事項証明書などで確認できれば、耐震証明書不要で住宅ローン控除適用可能 |
1982年以前に建築された住宅(旧耐震基準) |
以下いずれかの証明書を確定申告時に提出することで減税適用可能 ・耐震基準適合証明書 ・既存住宅性能評価書 ・既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書 |
上記いずれも証明できない住宅 |
減税対象外になる可能性が高い。特に省エネ基準非適合住宅では条件が厳格化(例:2024年以降は対象外のケースも) |
詳細は販売業者(不動産会社・ハウスメーカーなど)にお問い合わせください。
省エネ基準に適合した住宅を熊本県の土地に新築するなら、今すぐお問い合わせを。
高性能住宅は建築コストが高くなりやすい傾向がある一方で、光熱費の低減・住宅ローン控除額や優遇金利適用のほか税制面や保険料でも優位性が得られます。
しかし現実には、どの住宅仕様が最適なのか迷ってしまう人も多いことから、判断ポイントをまとめてみます。
性能別比較表
認定住宅・ZEH・一般住宅で比較してみました。
種類 |
初期費用 |
年間光熱費 |
補助金など |
断熱等級 |
認定住宅 |
やや高い |
低い |
80万円 |
5~6 |
ZEH |
高い |
非常に低い |
40万円 |
6~7 |
省エネ基準適合 |
比較的安い |
高い |
なし |
4以下 |
初期費用とランニングコストのバランスだけでなく、資金計画やライフプラン、住宅設計も含めてトータルで考えましょう。
子育て世帯(若者夫婦世帯)・シニア世帯・共働き世帯で、それぞれベストな選択を考えてみました。
【子育て世帯(若者夫婦世帯)】
子どもの成長や新たな誕生に備えて、断熱性と省エネを両立したZEHがおすすめです。
子育てグリーン住宅支援制度で補助金を受けられますが、2025年8月時点でも交付申請は受付しています。
予算に達した場合は受付が締め切られるため、なるべく早い決断が求められます。
なおZEH支援事業との併用はできません。
【シニア世帯】
子育てが一段落してライフサイクルも大きな変化はないと予想されるため、ZEHより初期費用を抑えやすくバリアフリーや間取りの柔軟性から認定住宅の長期優良住宅がおすすめです。
断熱等級はZEHより劣りますが十分快適な住環境が作れますし、固定資産税の減税期間も長く、将来的に売却や相続を視野に入れた資産価値の維持も期待できます。
ただし省エネ性能はZEHほどではないため、光熱費は日々の節約が求められます。
【共働き世帯】
時間の効率化と家事・生活の省力化が最優先される傾向があり、認定住宅+ZEH+スマートホーム機能を組み合わせた仕様が最もマッチします。
長期優良住宅の耐久性・ZEHの光熱費削減・スマートホームの省力化を組み合わせた仕様が、後のライフスタイルや家族構成の変化などにも柔軟に対応できると考えます。
2025年4月以降、省エネ基準に満たない住宅は建てられず、本格的に省エネ性能が必須の時代となりました。
5年後の2030年にはZEH水準へと引き上げられる中で認定住宅・ZEH・省エネ基準適合住宅の違いの理解が、住み心地と将来の家計に直結します。
シニア世帯は長期優良住宅の固定資産税減免やバリアフリー性が安心につながり、子育て・若者夫婦世帯は断熱性と省エネのバランスの良さからZEHを、共働き世帯はスマートホームまで視野に入れ、ライフスタイルに合った住まいを作っていきましょう。
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