電気代の高騰や自然災害の影響を受けて、「節電」や「エネルギーの自給自足」に注目が集まっています。
今回は、住宅仕様においても省エネや創エネの流れが加速しているなか次世代の住まいとして話題となっている「デマンドレスポンス住宅(DR住宅)」を取り上げます。
節電に協力するだけでポイントがもらえるなど、家計にも環境にもやさしいしくみが注目の的です。
そこで、デマンドレスポンス住宅にスポットについて、千葉県内での土地探しに役立つ情報なども含めてわかりやすく紹介します。
2025年時点で利用可能な補助金制度にも言及します。
電力の需給バランスが崩れやすい現代において、住宅が果たす役割は、年々重要性を増しています。
その中でも、電力の使用状況に応じて家庭側が能動的に消費を調整する「デマンドレスポンス(Demand Response)」が注目されています。
この機能を取り入れた住宅、いわゆるデマンドレスポンス住宅は、省エネと経済性の両立を可能にする次世代の省エネ住宅のひとつです。
電力がひっ迫している時間帯に消費電力を抑え、電力網全体の安定化に貢献することが、基本的なしくみです。
夏場の猛暑日などに電力需要が集中すると、電力会社は供給不足に陥るリスクを抱えます。
そのタイミングで、家庭や企業がエアコンの温度の調整や一時的に使用を控えることで、全体のピークを抑えることが可能になります。
電力会社や自治体がシステムを通じてこのような協力を呼びかけ、スマートメーターやHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を通じて連携することで、効率的なエネルギー制御を行うことが目的です。
デマンドレスポンスのわかりやすい例としては、節電の協力によって、ポイントが付与されるプログラムがあります。
たとえば、東京電力の「夏の節電チャレンジ」のように、指定された時間帯に消費電力量を減らすと、その削減量に応じてポイントが貯まり、電気料金の支払いなどに充てることができます。
そのほか、九州電力が行っている節電協力に応じてPayPayポイントで還元するという効果を確認できる企画も好評です。
家庭の節電意識を高めるとともに、日々の暮らしの中で無理なく省エネを実践できる点が顧客に受け入れられているといえます。
さらに、企画への参加にあたっては、アプリの導入以外には特別な設備を用意する必要がないケースも多いため、気軽に参加できる点も特徴です。
デマンドレスポンス住宅の鍵を握るのが、HEMS(Home Energy Management System)と呼ばれる家庭用エネルギー管理システムです。
HEMSは家庭内の電力消費をリアルタイムで可視化するシステムのことで、無駄な電力使用を抑えることができます。
たとえば、電力需給がひっ迫しているときに、電気温水器やエアコンなどの使用を一時的に制限するピークカットへの対応があります。
さらに、電力会社からの通知を受けて、自動的に電力使用を制御する機能を備えることも可能です。
また、電力会社や地域のエネルギー供給プラットフォームと接続することで、より高度な電力制御や蓄電池の効率的な運用も実現できます。
デマンドレスポンス住宅では、HEMSを中心にしたエネルギーマネジメントの自動化が不可欠ともいえますし、得られるメリットも大きくなります。
省エネ住宅を前提とするならば、HEMSの導入を見据え、満足度の高い住宅を建築可能な土地を千葉県で探すことから始めましょう。
デマンドレスポンス住宅は、電力会社からのインセンティブだけでなく、導入のための補助金制度も活用できます。
この章では、代表的な補助金制度として、
についてお伝えします。
DR補助金は、2025年5月7日から受付開始となった補助金制度で、申請期間は2025年12月5日と短期間となっています。
またDR関連設備の設置も12月末までとなっており、申請に半年近くかかることから、注意が必要です。
蓄電池や太陽光発電などの設備費用に対し、上限60万円を補助金として受け取ることができます。
省エネ住宅を検討している人は、なるべく早めに申請することをおすすめします。
子育てグリーン住宅支援事業は、2050年カーボンニュートラルの実現に対し、子育て世帯の「ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅」購入などを支援する事業です。
対象となる世帯は「子育て世帯」と「若者夫婦世帯」となっており、次のように定義されています。
補助金額は省エネ住宅の種類によって変わります。
それぞれの省エネ住宅を希望する場合は、ぜひ、ハウスメーカーを通じて申請して欲しい補助事業です。
2025年5月時点では、スタートしたばかりのため、まだ予算枠は余裕があります。
ただし、交付申請の予約期間も2025年11月14日までと明確に期限が切られているため、急激な申込増による早期終了も考えられます。
子育て世帯や若者世帯をターゲットにした補助金制度は、これまでも継続して公開されていましたが、来年度以降についての情報はありません。
千葉県では、太陽光発電・蓄電池・V2Hに対して、市区町村単位で補助金制度が公開されています。
代表的な補助金制度を、いくつかピックアップしてまとめてみました。
市区町村 |
太陽光発電 |
蓄電池 |
V2H |
千葉市 |
上限6万円 |
7万円 |
上限25万円 |
船橋市 |
上限6万円 |
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松戸市 |
一律10万円(+PHVの場合) |
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柏市 |
一律10万円(+PHVの場合) |
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市川市 |
上限22.5万円 |
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上記以外にも電気自動車と太陽光発電の組み合わせ、エネファームの設置についても補助金が交付されるケースがあります。
土地または新築エリアが決まり次第、市区町村の担当部署に問い合わせ、またはハウスメーカーなどを通じて、補助金を受けられる省エネ設備を確認しましょう。
コストパフォーマンスの高いデマンドレスポンス住宅の実現のために、千葉県内の土地選びと住宅仕様、さらに補助金の情報は随時チェックしてください。
デマンドレスポンス住宅は環境に優しく、省エネのしくみによりランニングコストも下げられるうえ補助金制度も充実しているという点では、検討しやすい仕様だといえます。
ただし注文住宅では、選んだ土地すなわち立地や環境がエリアごとに違うことで、地の利を十分に活かしきれないケースも少なくありません。
特に千葉県は山と海に囲まれているため、自然災害による被害規模は、もはや過去の教訓や記録が参考にならないことも予想されます。
そこで、デマンドレスポンス住宅に適した立地や環境について考えてみます。
千葉県の中央部分には山間部がありながらも、主な通信回線事業者はしっかりとカバーはしていますが、通信速度などでは大きく差がでることがあります。
また電力インフラにおいても、やや不安を覚えるという声も少なくありません。
ただし、山間部は都市部よりも土地の相場は低くなり、広い敷地で自然に囲まれながら生活したい人には人気です。
デマンドレスポンス住宅を想定するならば、消費電力のピークを分散してのエネルギー消費効率化が目的のため、電力供給自体が途切れやすい山間部では十分な効果が発揮できない可能性もあります。
やはりデマンドレスポンス住宅を検討する場合は、ある程度、都市部である方がシステムの稼働率の面でも有利といえます。
千葉県は過去に、大型台風や豪雨・地震などによる長期停電が発生した地域であり、住宅選びにおいても災害への対策の意識が高まっています。
デマンドレスポンス住宅でも太陽光発電と蓄電池を導入すれば、停電時にも最低限の電力を確保することが可能です。
災害時において電気が使える住宅は、家族の安心と命を守るシェルターとなり、避難や不安のストレス軽減効果も期待できます。
住宅仕様で万一に備えながらも、できるだけ災害リスクの低い地域を選定することは、長く暮らしていくための条件のひとつといえます。
こうした観点からも、デマンドレスポンス住宅は防災ニーズと非常に親和性が高く、前向きに検討したい仕様です。
デマンドレスポンス住宅の導入には、HEMS・太陽光パネル・蓄電池といった複数の設備が必要となるため、一定のスペースと初期費用が求められます。
この点においては土地価格が比較的安く、敷地面積に余裕を持たせやすい郊外では、設置の自由度が高いという利点があります。
たとえば、太陽光パネルの設置位置に制約が少なく、蓄電池の屋外設置も容易なため、トータルでの導入がスムーズに進められることもひとつです。
一方で都市部は、暮らしの利便性が高いものの土地単価が高いため、住宅設備や省エネ機器への予算配分の不釣り合いに悩むケースが出てきます。
ゆえに都市部と郊外の特徴をそれぞれ理解し、ライフスタイルや家族構成、将来設計をふまえて慎重な選択と判断が重要です。
千葉県市原市や長生郡などは、中央付近にありながらも都市部へ比較的簡単にアクセスできることから、候補地としてもおおすめといえます。
デマンドレスポンス住宅は、電力の使用を最適化するスマートなしくみによって、省エネと防災、そして経済的なメリットを兼ね備えた次世代住宅です。
国や自治体による補助金制度を上手に活用すれば、導入コストを抑えながら高性能な設備を整えることができます。
また、千葉県のような災害リスクがある地域では、自家発電や蓄電機能を備えた住宅が大きな安心につながります。
都市部と郊外での導入条件を比較しながら、ライフスタイルに合った住まいを見つけることが、これからの住宅選びにおける新常識となるでしょう。
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また、千葉県で注文住宅を建築される方で、土地情報をお求めの方はリブワークにぜひご相談ください。