注文住宅を建てるためには、さまざまな費用がかかります。
見積書を見れば、その内容の多様さは一目瞭然ですが、ハウスメーカーと建築士とでは、記載の有無という一つの大きな違いがあります。
それは設計料です。
設計料は設計図書を作成する業務に対する費用のことで、人件費や間接費だけでなく、専門知識を基にした技術料も含まれています。
安全かつデザイン性に優れた注文住宅を建てるためには、法令制限をクリアしつつオリジナル性の高い設計が求められるため、設計料は必要なコストといえます。
ただし、設計料については、神奈川県内の建築士とハウスメーカーでも相場は異なり、算定基準も一般的には知られていないため、比較や妥当性の判断が難しい面があるのは否めません。
ゆえに今回は設計料について、知っておいてほしいことをお伝えします。
建築士とは、設計事務所などに所属、あるいは自ら事務所を運営して、さまざまな種類と規模の建築設計における国家資格を有する専門家です。
注文住宅では、顧客の要望に応じて図面の作成から監理を担います。
ハウスメーカーにも建築士は所属していますが、ハウスメーカーの理念や社内ルールに縛られない分、設計事務所の建築士は自由な発想での提案が特徴です。
この章では建築士の設計料の相場、依頼するメリットとデメリットなどについてお伝えします。
建築士の業務は専門性が高く、かつ多岐にわたることから、国土交通省は建築士法25条を基にした業務報酬基準ガイドラインを定めています。
このガイドラインには、
建築物の設計・工事監理は建築士法により、建築士の独占業務。
従って、その報酬を不当に引き上げ、過当競争により業務の適切な執行が妨げられることのないよう、業務報酬基準を規定。
と明記されており、国の報酬に対する算定の考え方、算定方法などを告示する目的もあります。
すなわち、完全にそれぞれ建築士や設計事務所の裁量で設計料が決まるのではなく、ガイドラインに基づくものです。
神奈川県内の建築士に注文住宅の設計を依頼する場合、工事費用の10%~15%前後が設計料の相場として一般的といえます。
ただし、設計事務所が独自で開催する住宅の相談会において、簡易的なプランの作成やその場で提案するためのラフな作画については、無料で対応してくれることがほとんどです。
設計料が有料となるタイミングは、原則として、建築士との間で設計監理業務委託契約を締結した時点となります。
なお、設計料の支払いについては、契約締結時に着手金や前金として、実際に設計業務が開始された時点、設計の進捗段階に応じて、といったように設計事務所ごとに異なります。
契約書に支払い時期などが記載されますが、気になる場合は、事前に確認してもよいです。
建築士による設計はオリジナル性が高く、唯一無二の注文住宅を手に入れたい人に好まれます。
美術館やおしゃれなカフェのような住宅も夢ではなく、設計技術が高いことから、狭小地や高低差のある土地であっても建築可能な設計を提案してくれます。
そのため、一見、建築が難しいような相場よりも安い変形地を購入しても、解決案を含んだ提案も可能なため、建築コストを抑えられる可能性が高くなる点も魅力です。
その一方、意思疎通や情報共有ですれ違いが発生すると、理想と違った方向性に話が進むこともあります。
また、建築士のヒアリング能力が低いために伝えたいことが伝わらずストレスになる、建築士特有のこだわりを推されるといったことは、ないわけではありません。
できるだけ、立地と形状の整った神奈川県の土地のほうが、より柔軟な住宅プランが可能になります。
ハウスメーカーで注文住宅を依頼したとしても、設計料は実際にコストとなります。
ただし、建築士とは相場や支払い方法が異なりますし、設計料について説明そのものが一度もないことも珍しくありません。
注文住宅の見積もり明細を確認しても、設計料という項目がないケースも多いです。
これは建築士とハウスメーカーとの住宅づくりの違いによるもので、良し悪しを判断するものではありません。
神奈川県のハウスメーカーのほとんどは、営業、設計、内装デザイン、工事、アフターサービスなど、一貫体制となっているのが特徴です。
標準仕様の規格住宅から完全オーダーメイドの注文住宅まで、幅広いニーズに対応できますし、独自の技術や強みを持ち、省エネ住宅なども高いレベルでの建築が可能です。
部材単位でコストダウンを図りながら、一定以上の品質は確保する点は、ハウスメーカーならではといえます。
ハウスメーカーの設計料は、工事費用の5%前後になることが多く、建築士よりも相場は安いです。
ただし、設計料は本体工事費に含めている、あるいは諸経費や工事経費といった項目で提示されることが一般的といえます。
ゆえに、気づかない人も少なくありません。
気になる場合は、設計料を含めた内訳を開示してもらうとよいです。
ハウスメーカーに注文住宅の設計を依頼するメリットは、施工実績の多さを強みとして、最新のデザインから家事動線の良い間取りなど、独自の設計基準による多数のストックがあることです。
つまり提案レベルなら、時間もかからずに、いつくかの事例を資料として見せることも可能ですし、具体的に要望が固まっていない状態でも、モバルハウスをベースとして、カスタマイズするという方法が選択できます。
決まったパターンの間取りから選択すると、打ち合わせの回数が少なくて済むという点もメリットといえます。
一方、ハウスメーカーの設計は、建築士よりもオリジナル性という部分では、やや物足りなさを感じる可能性もあります。
この理由としては、ハウスメーカーのコンセプトやブランドに基づくことが前提となるため、大きく枠組みを外れるようなデザインは対応が難しくなるためです。
ゆえに、お気に入りのデザインで、注文住宅を神奈川県に建てるための土地探しは、住宅プランも同時に見られる物件情報サイトがおすすめになります。
建築士とハウスメーカーにおいて、設計料を考えた場合、
相場と内訳
プロセスと自由度
デザイン性と提案力
監理業務
アフターフォロー
といった点で、少し事情が異なります。
戸惑うことがないように、ここで少し触れておきます。
設計料の相場としては、
建築士:10%~15%前後
ハウスメーカー:5%前後
が一般的です。
建築士は前述のよう、国がまとめた報酬基準ガイドラインに沿って算定しますし、技術料なども含まれることから、比較的、設計料は高くなる傾向になります。
ハウスメーカーは、相場としてはかなり安いですが、プランのデータベースから選択、あるいはカスタマイズといった、設計コストの徹底した合理化が進んでいることも理由のひとつです。
建築士による住宅設計は自由度が高いですが、その分、提案のスピードはハウスメーカーよりも劣ります。
人的資源の差が最も大きいのですが、逆に言えば、かゆいところに手が届くような作り込みが期待できます。
一方、ハウスメーカーの設計は、コストパフォーマンスの観点とスピード感ある顧客対応のため、ある程度、事前に準備された図面集から選びます。
全ての要望が盛り込まるとは限りませんが、早ければ半日から翌日には、たたき台としての提案を受けることは可能です。
デザイン性や提案力に関しては、建築士とハウスメーカーでは、志向性の違いが垣間見えます。
建築士は要望を聞いた上で、こだわりも反映させやすく、ハウスメーカーは住宅仕様のトレンドを先取りできるといったことの違いです。
ゆえに、理想とする注文住宅の仕様については、どちらが得意とするかを考えて、相談することをおすすめします。
同じ要望を、神奈川県の建築士とハウスメーカーに伝えて、両者の提案を比較すると、それぞれの良い面が見られます。
建築士と業務委託契約すると、設計料と工事監理料は明確に分けて計上されるのが一般的です。
設計業務と工事監理業務は独立した専門的な業務であり、それぞれの業務内容と責任に基づいて費用が算出されます。
一方、ハウスメーカーの場合は、設計料と工事監理料は明確に区別されず、諸経費や工事経費の中に含まれているケースが多いです
だからといって、ハウスメーカーが工事監理をしないということではありません。
注文住宅においてアフターフォローは重要な判断材料となりますが、ハウスメーカーの方が組織的にフォローしてくれる傾向があるため、実績に裏付けされた安心感が得られます。
一方、建築士の場合は、フォローできる部分が限定的になりやすく、たとえば配管や電気機器のトラブルは、施工会社に丸投げというケースも少なくありません。
そのためアフターフォローを重視したい場合は、ハウスメーカーの方がおすすめです。
いずれにしろ、理想の注文住宅を得るには、土台となる土地を神奈川県の好立地なエリアで見つけることを優先しましょう。
結局、建築士とハウスメーカーでは、どちらを選択すべきか、決定的なものはありません。
ただし、
家づくりへの柔軟性と対応力
過去の事例や実績
総費用
を比較することで、理想の注文住宅を実現するにはどちらと契約したほうがよいのか、判断できることがあります。
端的に言えば、デザインなどの柔軟性や対応力は、建築士に依頼するほうが幅は広いといえます。
たとえば、キッチンは海外製を望むならば、建築士は調達までフォローしてくれますが、ハウスメーカーは基本的には取引のあるメーカーがメインです。
もしも、海外製を希望するなら断られるか、いわゆる施主支給、つまり自らが機器類などを調達して工事してもらうということになります。
ハウスメーカーにおいて過去の施工事例を紹介してもらい、希望する住宅仕様と似たようなケースがあれば、完成のイメージがより明確になります。
そうなると、とんとん拍子に話が進むこともあります。
一方、建築士の場合は、一品ものがズラッと並ぶイメージで、過去の施工事例は参考レベルと考えたほうが良いです。
他にはない住宅仕様を望む場合は、建築士の得意とするところといえます。
全く同じ条件で見積もりを依頼すると、当然、ハウスメーカーと建築士とでは、総費用は異なります。
その差は、
組織や体制の規模による運営コスト
利益構造(ビジネスモデル)
建築資材の調達コスト
住宅の標準仕様とオプションの考え方
宣伝広告費やブランド価値
アフターサービスの範囲
などが要因となっていますが、重要なのは優先順位や価値観です。
設計料における建築士とハウスメーカーの違いは、注文住宅を依頼するにあたっては、大きく影響するとは限りません。
重要なのは、
予算内に収まること
満足度の高い住宅を完成してもらうこと
住み始めてもアフターフォローで不安がないこと
といった点を判断基準として、建築士やハウスメーカーに注文住宅を依頼することです。
神奈川県で注文住宅の土地を探す場合は、リブワークのe土地netにお任せください。
また、神奈川県で注文住宅を建築される方で、土地情報をお求めの方はリブワークに、ぜひ、ご相談ください。