神奈川県は、東京都や静岡県へのアクセスが良く土地の相場も都心と比較して抑えられるため、注文住宅の新築を検討するエリアとしても人気です。
とはいえ注文住宅を建てるためには、土地の選定とハウスメーカー探しが大きく影響しますし、引き渡しまでに1年以上を要するケースもあり、時間も手間もかかります。
さらに、国土交通省が公開している2023年度の住宅市場動向調査では、新築した世帯の平均年収は989万円(令和5年度 住宅市場動向調査報告書|国土交通省)というデータも出ています。
住宅ローンの金利についてもすでに引き上げている金融機関もあり、ますます手間、時間、資金の3つが揃っていなければ注文住宅は手に入れられないという可能性も否定できません。
そこで今回は、改めて注文住宅と土地の相場について言及することにします。
注文住宅を建てるためには一定以上の年収が必要ですが、気になるのは土地と建物の価格相場です。
年収が上がりにくいと言われる昨今、土地と建物の価格相場、さらには住宅ローン金利も上昇傾向となると資金計画が重要になります。
これらを考慮して、入居後の収支動向をシミュレーションしてみることをおすすめします。
一方で住宅市場動向調査の調査結果から、注文住宅を新築した世帯の平均年収の高さも無視できません。
これからの注文住宅と世帯年収について独度の見解を述べてみます。
注文住宅を建てた年収層は平均915万円となっており、三大都市圏では989万円です。
世帯年収(税込み)だけを見ると、最も多い層は、
となっています。
この結果を踏まえ、東京都に近い神奈川県で注文住宅を建てるのであれば最低でも900万円以上の年収が目途になるといえます。
ちなみに職業は全国、三大都市圏ともに「会社・団体職員」が最も多く、それぞれ42.9%、38.6%です。
世帯主の勤続年数においても、全国、三大都市圏ともに「10年以上20年未満」が最も多い割合になっています。
購入資金については、
であり、このうち自己資金はそれぞれ3割程度です。
このデータから、単純に借り入れ金額は約5,000万円程度と読み取れます。
前述のデータから、神奈川県で土地を探して注文住宅を新築する場合のおおよその予算が見えてきます。
自己資金の準備には3割程度を目途に、金融機関からの借り入れ、つまり住宅ローンを組むならば5,000万円程度、トータルで7,000万円から8,000万円です。
横浜市、川崎市、横須賀市などの人気エリアであればそれぐらいの予算で資金計画を立てる必要がありますが、割安なエリアもあります。
ただし、忘れがちなのは一時的に必要な諸費用、住み始めてから必要になるメンテンス費用、固定資産税といったランニングコストです。
ZEHのような省エネ住宅、自然素材を使ったモダンデザインなどは一部補助金もありますが、導入設備や建材は一般的な住宅より費用負担は大きくなります。
とはいえ神奈川県ではエリアと住宅デザイン次第では、金額を抑えた予算でも十分に注文住宅の新築は叶います。
まずは、予算に応じて土地選びから始めることが、第一歩です。
一般的に注文住宅では、土地を購入した後に住宅の建築という流れになります。
そのため支払いについては、
というステップになり、この期間の資金計画が重要になります。
なぜならば住宅ローンは土地には適用されず、しかも建物の引き渡し時に融資され返済が始まるためです。
住宅ローンの金利や返済方式だけでなく、土地代金を自己資金でカバーできないときの方法についても理解しておくことが求められます。
前述のように、注文住宅では土地の購入からスタートし支払いも分割となります。
しかしながら金融機関は原則として完成した物件を融資の対象としているため、土地の代金を支払うためには住宅ローン以外で融資をしてもらうか、自己資金での現金払いの選択肢しかありません。
ところが住宅ローン以外の融資は金利が高く、自己資金も不足しているとなると、注文住宅そのものが非現実的となります。
そこで金融機関は住宅が完成するまでに発生する支払いに対しての融資をサービスとしてラインナップし、スムーズに注文住宅の取得が進むよう便宜を図っています。
そのサービスは、「つなぎ融資」と呼ばれることが一般的です。
詳細な説明は省きますが、つなぎ融資の決済は住宅ローンの一部で行われるため、それも踏まえて住宅ローンの借入金額など考慮する必要があります。
ただし全ての金融機関がつなぎ融資を取り扱っているわけではなく、さらに住宅ローンほどの低金利ではありません。
さらにつなぎ融資は住宅ローン控除の対象にならないというデメリットもあるため、利用する際には金融機関から詳細な説明を受けた上で判断することをおすすめします。
住宅ローンは「元金」と「金利」を、
のいずれかの返済方法を選択して、毎月支払うことになります。
返済方式 |
特徴 |
メリット |
デメリット |
元利均等 |
毎月の返済額が一定 |
返済計画が立てやすい |
元金均等より返済額は増える |
元金均等 |
段階的に返済額が減少する |
総支払い額が元利均等より少なくなる |
融資スタート時点の返済額が高い |
日銀が利上げを発表(2024年7月)して以降、大手金融機関などは金利アップを公言していますが、金利が上がると毎月の支払額がアップすることになります。
注)2024年9月の金融政策決定会合では、追加利上げは見送られました。
また金利プランには大きく分けて「固定金利」と「変動金利」があり、次のような特徴があります。
金利 |
特徴 |
メリット |
デメリット |
固定金利 |
設定した期間金利が変わらない |
金利変動の影響を受けない |
変動金利より金利が高い |
変動金利 |
半年ごとに金利が見直しされる |
固定金利より金利が安い |
急激な利上げにより返済が難しくなる可能性がある |
なお住宅金融支援機構によると、76.9%が変動金利を選択(【概要】住宅ローン利用者の実態調査(2024年4月調査):住宅金融支援機構)している中で、2024年8月末に大手金融機関だけでなく、地方銀行も変動金利の利上げを発表しています。
そのため、これまでの流れに沿って変動金利を選ぶのではなく、将来のリスクなどそれぞれの特徴を理解した上で検討することが重要です。
返済例を見たいなら、神奈川県の土地と住宅プランのセットでの金額を、参考までにご覧になれます。
注文住宅の建築費用はハウスメーカーが提案する仕様だけでなく選んだエリアによっても大きく変動します。
土地の相場は都市部と郊外で大きく異なることになりますが、神奈川県も例外はありません。
人気の高いエリア、さらに駅近という好条件であれば土地の価格は相対的に高額ですが、そのような特筆すべきことがない場合は入手しやすい状況です。
不動産情報ライブラリより、令和6年の地価公示における横浜駅に近い標準地(用途区分は住宅地)のひとつを参照すると、
となっています。
一方、相鉄本線の鶴ケ峰駅から少し離れた標準地では、
と、かなりの差があります。
土地の評価だけを見れば横浜駅周辺は利便性の良さなどが想像されますが、生活の都合上鶴ケ峰駅のほうが都合がよい世帯なら価格面でのメリットが得られます。
土地選びは、世帯の状況に応じて判断することが重要です。
神奈川県では横浜市の人口は約375万人であり、実に4割以上が居住していることになります。
そのため、郊外は都市部よりも土地の相場は安くなり、前述の標準地を比較しても、かなり下がることが分かります。
なお神奈川県は主要な駅として横浜駅と新横浜駅がありますが、横浜駅周辺のほうが土地の相場はやや高い傾向です。
考えられる理由としては、
といったことが挙げられます。
このことからも注文住宅の土地の費用を抑えたいのであれば、郊外を中心に検討することをおすすめします。
神奈川県は東京都へアクセスしやすいことから、ベッドタウンとしても人気が高く人気エリアにもなると土地の相場は高くなっています。
資金計画では、つなぎ融資を含めた住宅ローンや自己資金とのバランスなどを細かくチェックすることが大切です。
一方、郊外では例外なく土地の相場は下がります。
都心に近いエリアが高嶺の花と感じるならば、郊外を中心に土地を選定することでトータルの費用を抑えることができます。
その分、生活環境や交通アクセスなどの利便性は、一部物足りないところも出てくる可能性は高いです。
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また、神奈川県で注文住宅を建築される方で、土地情報をお求めの方はリブワークにぜひご相談ください。