日本は、そもそも大地震が発生しやすい国だと言われていますが、実際に、これまでにも甚大な損害が起きています。
たとえば、2011年東北地方太平洋沖地震、2018年北海道胆振東部地震、そして2024年元旦の石川県能登地方地震など、2000年代だけでも強烈なインパクトを残しています。
熊本県においても、2016年に発生した熊本地震(気象庁 | 災害をもたらした台風・大雨・地震・火山噴火等の自然現象のとりまとめ資料)については、決して忘れられない出来事です。
このことから、新築向けの土地探しは震災リスクを低くするべく、地盤が強いことなど、さまざまな対策が必要といえます。
特に、地震保険については全国的に関心が高まっており、住宅の検討と同時に、そのしくみや保険金の支払い、補償内容への理解が重要なカギとなります。
これから熊本県で新築向けの土地探しをする場合には、参考にしてください。
地震保険は1964年新潟地震をきっかけとして、1966年5月「地震保険に関する法律」が公布(地震保険の歩み 【日本損害保険協会】)され、その後、大地震に見舞われる度に改定を繰り返しています。
予期せぬ災害によって損害を受けた場合、保険金によって再建の費用負担を最小限に抑えるのが、地震保険の役割です。
さらに、地震によって損害を受けるのは建物だけでなく、家財、つまり自宅にある電化製品なども大きなダメージを受けてしまいます。
そのため、地震保険の対象は「建物」と「家財」となり、損害の程度に応じて保険金が支払われるという、少し変わったしくみが特徴でもあります。
その変わったしくみについて、基本的な部分の理解は重要です。
地震保険は単体で加入することはできず、必ず火災保険とセットで加入することになります。
火災保険については馴染みがあるかもしれませんが、地震保険に至っては「地震のみ」による損害への補償でしかないと、誤解されているケースも見受けられます。
実際は、
を原因とする火災・損壊・埋没・流失に対して保険金が支払われます。
そもそも火災保険では、地震による火災は補償の対象外となっているため、地震保険をセットすることで、漏れのない保障プランを組み立てることが可能です。
保障プランについては、保険会社への相談がベストですが、ハウスメーカーでもある程度、土地情報と一緒に提供できることがあります。
ゆえに地元、熊本県のハウスメーカーが持つ土地情報の検索で気になる物件は、早めに押さえておきましょう。
損害保険料率算出機構によると、熊本県における地震保険の加入率(※)は、2022年度のデータではありますが85.9%(地震保険統計|損害保険料率算出機構)です。
(注)本来は「付帯率」と記すべきですが、本記事ではわかりやすいように「加入率」と表現しています。
これは、全国平均の69.4%を大きく超えており、熊本地震の残像が高めた数字ではないかと考えられます。
熊本県で持ち家を保有している人は、地震に対する備えの意識も高いことが分かります。
すでに熊本県では土地探しの段階から、ある程度、火災保険と地震保険の同時加入を前提にしている傾向があるように見えるため、具体的な保険金額の設定がポイントとなりそうです。
新築するエリアの地盤の強さ、住宅の構造、仕様が固まった段階で、保険料のシミュレーションを行うことをおすすめします。
損害保険会社が、ツールを公開していることもあるので、それを利用して概算の保険料を知ることができます。
前述したように、地震保険は「地震のみ」での損害について補償があるとの認識の方は、非常に多いのが現状です。
熊本県は、非常に地震対策への意識が高いことが、付帯率の数字に表れてはいますが、それでも補償内容について、うろ覚えということも少なくありません。
恐らく地震保険が、その性質上、どうしても「火災保険のおまけ」のような存在が影響している可能性が高いです。
すでに説明したように、単独での契約ではなく火災保険でのセットであることが必須のため、忘れがちなのは仕方のないことであると考えます。
ゆえに、この章では補償の内容について、基本的な部分を解説します。
地震保険の特徴でもありますが、
といったように、それぞれに保障を組み立てるものです。
ただし、全ての建物や家財が対象ではなく、店舗や事務所として使用されている建物、30万円を超える貴金属や宝石、通貨、有価証券などは対象外となります。
特に、資産価値の高い家財を保有している場合は、地震保険ではカバーできないことが多いことから、個別に対応をとらねばなりません。
なお、家財の資産価値については時価で算出するため、購入金額ではなく現在の価値で評価されることを知っておく必要があります。
詳しくは保険会社へ確認するようにしてください。
地震保険の保険金額は、火災保険の30%~50%の範囲内で、なおかつ、建物は5000万円、家財は1000万円と上限が決まっています。
さらに損害の程度に応じて、保険金の受取額が変動します。
少し複雑ですが、一覧表にまとめましたので、割合だけでも覚えておくと良いです。
損害の程度 |
保険金額の割合 |
限度割合 |
全損 |
100% |
時価を限度 |
大半損 |
60% |
時価の60% |
小半損 |
30% |
時価の30% |
一部損 |
5% |
時価の5% |
なお、損害の程度の度合いについては、基準をもとに保険会社から派遣された調査員が、現地調査した上での判断となります。
そのため、実際の損害に対して支払われる保険金と、思い描いた想定の補償との乖離が出てしまうことは否めません。
しかし何もないよりは、生活の再建のめどが立てやすい面もある反面、地震保険はいらないという声も根強く残っています。
相談したいときは、熊本県のハウスメーカーが運営する土地情報サイトを通じて、物件情報とともに地震保険について聞いてみるとよいです。
地震保険はいらない、必要性を感じない、という意見があります。
保険料の負担だけでなく、新築であれば耐久性や耐震性などの基本性能が高いという認識から、不要だと判断されることが理由です。
しかし、これまで発生した地震の被害状況を見る限り、建物の倒壊は性能が低いということだけでなく、地割れ、土砂崩れ、津波など外的な要因も絡み合って、損傷することもあり得ます。
耐震性が高いとはいえ、そもそも地盤から崩壊すると、どうしようもないわけです。
つまり、予測できないからこそ、地震保険で備えることが重要ではないかと考えます。
大地震が発生するにつれ、日本では地震発生予測に関する研究が進んでいます。
中でも最大規模が予想されている南海トラフ地震については、気象庁や内閣府から、随時、関連の情報が公開されています。(気象庁|南海トラフ地震)
また、被害想定については、内閣府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが、令和元年6月に東海、近畿、四国、九州の各地方が大きく被災するケースとして、具体的な数字を参考としながらも出している状況です。
こうした背景から、地震保険の必要性は高まってもおかしくありません。
恐らく保険会社も地震保険については、今回の能登半島地震をきっかけとして、提案する機会は増えるはずです。
これから熊本県で土地探しをするならば、少なくとも県周辺の主要な活断層(熊本県の地震活動の特徴 | 地震本部)について、一度は確認をしておいたほうがよいのではと考えます。
地震保険料の相場については、日本損害保険協会が公開している保険料シミュレーター(保険料シミュレーター|日本損害保険協会)が便利です。
熊本県で土地を探して新築(耐震等級3クラス)ケースで、火災保険の契約金額が、
だとします。
上記の条件で年間地震保険料は、
に納まるため、火災保険料と合わせても10万円は超えない金額の予想です。
ただし地震保険については、国税庁が年末調整等によって地震保険料控除のしくみを公開(地震保険料控除 - 国税庁)しており、節税につながります。
区分 |
年間の支払保険料の合計 |
控除額 |
地震保険料 |
50,000円以下 |
支払金額の全額 |
|
一律50,000円 |
熊本県では2016年に大地震が発生し、2024年になった今でも阿蘇大橋が崩落したままになっているなど、いまだに影響が残っています。
さらに、今後も活断層がある限り地震発生の可能性は残っていることから、熊本県で土地を探して新築するのであれば、地震対策の実施はもはや必須であると言えます。
このことからも、地震保険のしくみを理解し、万一のときの生活再建に対する経済的リスクを下げることは、地震対策のひとつです。
熊本県での土地探しはリブワークのe土地netにお任せください。
また、熊本県で新築一戸建て(注文住宅)を建築予定の方で、土地と地震保険の情報をお求めの方は、リブワークにぜひご相談ください。