マイホームを購入するにあたって、土地選びからスタートしたいという「こだわり派」もいると思いますが、不動産の取引は複雑なため「こだわり」は通用しません。
時間をかけて見つけた「お気に入りの土地」がスムーズに取引ができるよう、予め流れを知っておくことをおすすめします。
流れを知っておくことで、手続きに必要な書類の準備などがスムーズに行えます。
書類には準備のために数日を要するものもあり、全てが揃うまでは次のステップへ進めない不動産取引では、ひとつの遅れが後々になって影響してくるのです。
しかるべき時期に引き渡しが行われるためにもステップを理解しておきましょう。
特に初めての不動産取引となると、不動産業者の仲介なしでは満足な取引は不可能に近いものがあります。
どのようなステップがあるのか簡単に解説しますので、参考にしてください。
マイホームに関しては、
など、さまざまな理由がきっかけになっていると思います。
また、新聞やネット広告で新築一戸建て物件の情報が発信され、土地の広さなどをチェックしていくうちに、頭の中で新しい生活がイメージされると自然に行動が加速していきます。
行動が加速すると、お気に入りの土地に出会う確率も高くなり、情報収集に関しても精度が上がっていくものです。
したし、あくまでも一般公開されている範囲での情報インプットのため、現地でしか得られない情報を得ることが、土地選びでは重要です。
現地に足を運ぶと、1つや2つではなく、たくさんの情報が取れますので、ますます具体的な生活イメージを描くことが可能になります。
お気に入りの土地を見つけたら、現地に行ってイメージとの照合をおすすめします。
お気に入りの土地を実際に見てみると、何とも言いようがないことに気付くと思います。
なぜならば、建物の無い土地、つまり整備された宅地を見たところで、初めてマイホームを購入する人にとっては良し悪しの判断は非常に難しいからです。
ゆえに不動産業者による案内や見学会が行われていれば、担当者と一緒に現地を見るようにしましょう。
担当者が持つ物件最新情報や経験値、さらには現地でしか得られない情報と、何となくイメージしている住宅と生活を照合させることで、現実的かどうかの判断がある程度可能になります。
担当者との相性にも問題が無ければ、仲介を依頼しても良いでしょう。
ともかく、思い浮かべる住宅や生活が現実的かどうかを知るためにも、不動産業者の担当者を伴うことが現地確認では重要です。
土地を購入するには、その物件の売主と取引の違いを知る必要があります。
主に売主は、
に大別されます。
基本的に、不動産会社や住宅開発会社などが売主の場合は「分譲物件」、個人が売主の場合は「仲介物件」として認識すると良いです。
分譲物件と仲介物件では販売形態に違いがあるので、それぞれ簡単にしくみを見ていきましょう。
分譲物件とは売主から直接購入することを前提としています。
【販売形態】
売主である不動産会社または住宅開発会社が窓口となるケースもあれば、販売代理を委託された不動産業者が窓口となるケースもあります。
販売窓口は物件によって変わると考えてよいです。
新築マンション、戸数の多い分譲地などは、分譲物件として扱われるので、広告等を見てみると理解が深まると思います。
仲介物件とは個人が売主となっている場合の販売形態です。
【販売形態】
売主である個人から仲介の依頼を受けた不動産業者が販売活動をします。
買主である個人は、仲介を受けた不動産業者と購入のための交渉に入ります。
主に単独もしくは2.3戸程度の新築一戸建てや中古物件は仲介物件として公開され、取引の際は仲介手数料が発生するのが特徴です。
土地の購入については、大きな括りでステップを説明すると、
の3つに分かれます。
それぞれのステップごとには細かいやり取りがありますが、これを個人のみで実行するのは非常に難しいので、当社のような不動産業者が仲介の依頼を受けてサポートすることになります。
仲介手数料を頂くことになるのですが、安全・安心して取引を成立させるだけでなく、物件および関連情報のほかに、住宅ローンに関する相談なども行っていますので、ぜひ、有効活用して頂ければと思います。
当社も仲介物件を数多く抱えていることから、主に仲介物件での土地購入の流れについて、少し詳しく解説していきます。
お気に入りの土地が見つかり、購入の意思表示があれば「買付証明書」を提出します。
買付証明書は購入申込書または買付申込書等で表現されていたりしますが、目的は同じと考えて結構です。
買付証明書の提出後に仮契約を結ぶことになりますが、この時点で、土地の購入代金の一定割合(10%程度)もしくは仲介手数料を支払うことになります。
この支払いは自ら準備する必要があります。
仮契約の前後には、住宅の建設のために前もって地盤や敷地調査を行います。
建物を設計するにあたって重要なデータを収集する目的があるので、スケジュール等は不動産業者との相談が必要です。
同時に住宅施工会社や設計事務所も決定しなければなりませんから、伝手が無い場合は、紹介を受けると良いでしょう。
売買契約ステップの主な内容は、
になります。
住宅ローンは基本的に住宅の建設に対する融資ですので、土地のみの購入の場合は別途、相談してください。
審査には時間を要しますから、なるべく早い段階で事前審査を受けるようにします。
図面や見積書など、必要な書類が金融機関から指定されますので、しっかりと準備をしましょう。
次に重要事項説明ですが、これは法律に基づく行為で、省略することはできません。宅地建物取引業者が買主に対して重要事項の説明を行います。
重要事項説明の後に問題がなければ売買契約が結ばれます。
売買契約の後に住宅ローンの本審査となるのが一般的ですが、本審査は本人が金融機関に出向く必要があります。
事前審査とは違う点です。
もし心細い場合は不動産業者の担当者に帯同してもらうと良いでしょう。
本審査に通過すると「金銭消費賃借契約(金消契約)」つまり住宅ローンの契約が成立します。
金銭消費賃借契約、いわゆる住宅ローンの契約が済めば、後は引き渡しのステップとなります。
このステップで重要なイベントは決済です。
不動産取引の決済は、レジで精算するような単純なものではありません。
大抵の場合、決済日には、
が住宅ローンを契約した金融機関に集まり、司法書士から登記や固定資産などの説明を受けた後に、
といった実務が実行されます。
決済が無事に終了した後は、所有権移転登記のために司法書士への手数料の支払いが発生します。
ここまで完了すると晴れて引き渡しが完了となります。
注)土地購入の流れはあくまでも参考であり、実際のスケジュールは不動産業者とすり合わせるようにしてください。
土地の入手においては「建築条件付土地」として販売されている物件もあります。
建築条件付土地とは、一定の期間内に建物の建設のために、住宅会社などと請負契約の締結を条件付けて販売する物件です。
住宅会社が指定あるいは限定されているケースがあり、万一、建物の建築請負契約が合意に達しなかった場合は、土地の売買契約の解約(白紙解除)ができるという特約が付いています。
メリットとしては、土地と建物がセットで売られているため、土地の価格が割安になっているケースが多いことです。
デメリットは、住宅会社が限定されるため、そこで販売している住宅のデザインや仕様が気に入るかどうかで、購入意思が左右されるところにあります。
ただし、購入の流れは大きく変わることはありません。
建築条件付土地で気になるのは建物が、どこでまで希望や要望が反映されるのかという点ではないでしょうか。
例として、欧風デザインの建物を希望していても、住宅会社が用意している基本プランには全く反映されていない場合、どこまで希望に近づけることができるのかは、実際に相談してみなければわかりません。
また建物に関してフリープランを強調していても、外観や設備のカラーを、いくつかの選択肢から選ぶだけという、限られた変更しかできないことも想定しておくべきです。
建築条件でトラブルが発生しやすい面もあるため、慎重に選びましょう。
不動産業者の仲介による土地取引の流れをわかりやすく解説してみましたが、あくまでも参考としてご覧ください。
物件や買主様によって、ステップの細かい部分は前後することもあります。
ある意味、オーダーメイドの感覚で取引されますから、仲介する不動産業者の担当者とのコミュニケーションは大事です。
担当者選びにセオリーと言えるものはありませんが、実務面での信頼性や人柄、あるいは相性という観点から判断しても問題ありません。
お気に入りの土地を見つけてから引き渡しまで、早くて半年、平均的には1年前後の期間を要します。
できるだけスムーズに取引をするためには、担当者と流れを共有するように努めた方が満足度は高くなると思います。