情報更新日:2025年11月28日
初回投稿日:2023年10月16日

福岡県で注文住宅を検討している方にとって、まず気になるのが土地の費用相場ではないでしょうか。
福岡県は9年連続、福岡市では13年連続で地価が上昇しており、希望エリアで理想的な土地を見つけるための戦略が重要になります。 また住宅建築では、家づくりの優先順位をはっきりさせて、土地探し・建物設計を進めることが大切です。
そこで本記事では、福岡県で注文住宅を建てる際の最新費用相場から、失敗しない土地探しの3つのポイント、ハウスメーカー選びのコツまで、家づくりに必要な情報を網羅的に解説します。
また、多くの方が決断を先延ばしにしてしまう理由とその対処法もご紹介しますので、これから福岡県で注文住宅を建てる方はぜひ参考にしてください。
福岡県で注文住宅を検討する際には、まず土地代・建築費・諸費用の3つの費用を把握しておきましょう。
それぞれの費用相場を把握することで、無理のない資金計画の作成につながります。
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
福岡県で注文住宅用の土地を取得する際の平均費用は、約1,293万円です。
全国平均が約1,495万円なので、比較的購入しやすい土地価格と言えます(※1)。
ただし、福岡市に限定すると状況は異なります。
2025年時点で福岡市の住宅地における平均坪単価は、約79万円(1坪=3.3㎡で計算)で、前年からの上昇率は約9%です。また福岡市では、13年連続で地価が上昇を続け、現在も市内中心部の再開発が積極的に進められていることから、今後も土地価格の高騰が予測されます(※2)(※3)。
一方で、福岡県のなかでも古賀市や筑紫野市、糟屋郡などの郊外エリアでは30万〜40万円台と比較的手頃な価格で土地を購入できます(※4)。
以下の記事では、福岡県における今後の土地価格の影響を最新の路線価を用いて解説しているので、併せてご覧ください。
<関連記事>
【2025年版】福岡県の注文住宅は高くなる?最新路線価による価格と土地探しの影響を考察
(※1)参考: 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度」
(※2)参考:福岡市「令和7年地価公示(福岡市分)」
(※3)参考:福岡市「令和7年度福岡県地価調査の概要」
(※4)参考:土地代データ「福岡県2025年[令和7年] 基準地価」
福岡県における注文住宅の平均的な建築費用は、約3,699万円となっており、全国平均より230万円ほど低いです。平均的な延床面積は約119㎡(約36坪)で、坪単価に換算すると約102万円が相場となります(※5)。
一方、土地と建物をセットで購入した場合の建物費用は平均約3,727万円で、全国平均より200万円ほど高いです(※5)。ただし、建築会社によって価格帯は大きく異なります。
コストを抑えたシンプルな住宅を提供する会社であれば、坪単価50万円台から対応しているケースも多いです。一方、高品質な素材や設計にこだわる会社では、坪単価100万円を超えることも珍しくありません。さらに、近年は建築資材費や人件費が高騰しているため、さらに高額になるケースが増えています。
(※5)参考:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度」
注文住宅を建てる際は、土地代と建築費以外に総費用の7〜10%程度の諸費用が必要になります。諸費用を見落としてしまうと予算オーバーになる可能性があるため、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。主な諸費用は、以下のとおりです。
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土地購入時 |
・仲介手数料 |
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建築時 |
・設計料 |
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住宅ローン関連 |
・融資手数料 |
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その他の費用 |
・引っ越し費用 |
例えば総費用が4,000万円の場合、諸費用は280万〜400万円程度を見込んでおく必要があります。予想外の出費で予算オーバーにならないよう、あらかじめ諸費用を資金計画に組み込んでおくことが、スムーズな家づくりにつながります。

理想の注文住宅を建てるためには、まず良い土地を見つけることが不可欠です。福岡県で効率的に土地探しを進めるためのポイントとして、以下の3つがあげられます。
優先順位を決めておく
郊外にも目を向けてみる
自ら歩いて周辺環境を確認してみる
それぞれ詳しく解説します。
土地探しを始める前に、家族で「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を明確にしておくことが大切です。家を建てる際は、以下のようにさまざまな希望が出てきますが、すべてを満たす土地を探すのは現実的ではありません。
予算
土地の広さ
周辺環境
通勤時間 など
そのため「通勤時間30分以内は必須だが、駅徒歩は15分まで許容できる」「予算3,000万円以内が最優先で、南向きという条件は妥協可能」のように、優先順位をつけて選択肢を広げることが土地探しの重要なポイントになります。
夫婦や家族の意見を事前にすり合わせておくことで、実際に土地を見たときに迷わず判断でき、良い土地を逃すリスクも減らせるでしょう。理想を追求しすぎず「80点くらいの土地」を見つける意識で臨むことが、満足度の高い土地探しにつながります。
福岡市内はどこも人気が高く、坪単価も高額になっています。特に中央区では平均坪単価が600万円を超えており、早良区や南区でも100万円前後と高額で、土地の供給も少なく競争率が高い状況が続いています。一方で古賀市や志免町、粕屋町などの郊外エリアは福岡市中心部へのアクセスが良好でありながら、坪単価が30万〜40万円台と比較的手頃な価格で購入可能です。
郊外を選ぶことで土地代を大幅に抑えられ、その分を建物のグレードアップや設備の充実に回せます。車があれば生活に不便はなく、むしろ広い土地を確保しやすいため、平屋やガレージハウスを建てやすいのがメリットです。
人気エリアだけに固執せず、第二・第三候補のエリアも検討することで、理想の土地に出会える確率は大きく高まります。効率的に土地情報を集めるなら、e土地netに希望条件を登録しておきましょう。
気になる土地が見つかったら、できる限り現地を訪れて周辺環境を自分の目で確認することが大切です。平日と休日、昼と夜で様子が異なるケースがあるため、複数回訪れて確認するのがポイントです。
また、日中は静かでも夜間に交通量が多い幹線道路沿いだったり、休日は近隣の騒音が気になったりするケースもあります。さらに、以下のような生活関連施設まで実際に歩いてみることで、生活の利便性を体感することが可能です。
最寄りのスーパー
コンビニ
病院
学校
公園 など
図面や写真だけでは分からない情報が、現地を歩くことで見えてきます。以下の記事では、福岡県の土地選びで重要な確認事項を詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
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【2024年版】注文住宅向けの土地探しが進まない!福岡県の土地選びで重要な確認事項とは?

土地が決まったら、次は信頼できるハウスメーカーや工務店を選ぶ段階です。建築会社選びでは、以下のポイントを踏まえて慎重に検討する必要があります。
施工実績と地域での評判を確認する
各社の特徴と予算のバランスを考慮する
担当者の対応やアフターサービスの内容から信頼できるか判断する
それぞれ詳しく解説します。
ハウスメーカーや工務店を選ぶ際は、福岡県内での施工実績と評判をチェックすることが大切です。年間の着工棟数や完成見学会の開催頻度、施工事例の写真などから、その会社の実績・実力を確認できます。特に施工事例を確認する際は、数だけではなく内容にも注目しましょう。和風・洋風・モダンなど多様なデザインや、平屋・二世帯住宅・狭小地などのさまざまな条件での実績があると、幅広いニーズに対応できる技術力があると判断できます。
またGoogleマップの口コミや、ホームページに掲載されている施主の体験談なども、参考にしながら検討することが大切です。ただしインターネット上の評判が良くても、実際に話を聞いてみて保証内容が曖昧であったり、見積もりの内訳を詳しく説明してくれなかったりする場合は注意が必要です。
ハウスメーカーは、価格帯によって得意分野が異なります。コストを抑えた住宅を提供するハウスメーカーであれば予算を抑えられますが、標準仕様が限定的でオプション費用がかさむ場合もあるため注意が必要です。一方、高価格帯の会社では高気密高断熱や高い耐震等級などの住宅性能が標準化されているケースが多いです。
重要なのは坪単価だけでなく、標準仕様に何が含まれているかを比較することです。同じ坪単価でも、ある会社では標準仕様に含まれている設備が、別の会社ではオプション扱いになっているケースもよくあります。
また建築費用だけではなく、付帯工事費(外構工事や地盤改良費など)や諸経費も含めた総額で判断するようにしましょう。自分の予算と求める家の質を照らし合わせて、バランスの良いハウスメーカーを選ぶことが満足度の高い家づくりにつながります。複数社から相見積もりを取り、内容を詳しく比較検討することもおすすめです。
家づくりは担当者との長い付き合いになるため、相性が非常に重要です。具体的には、以下のようなポイントを接客時に確認してみましょう。
質問に丁寧に答えてくれるか
こちらの要望をしっかり聞いてくれるか
デメリットも含めて正直に説明してくれるか
レスポンスが早いか
最初の打ち合わせの段階で不安を感じたり、コミュニケーションが取りにくいと感じたりした場合は、担当者の変更を依頼するか別の会社を検討することも必要です。さらに定期点検の頻度や保証期間、緊急時の対応体制などのアフターサービスの内容も比較し、長期的な安心を得られるかを見極めましょう。
また、多くのハウスメーカーでは10年保証が標準ですが、20年以上の長期保証を提供している会社もあります。引き渡し後の定期点検が充実しているかも、安心して暮らすための重要なポイントです。信頼できるパートナーを選ぶことが、理想の注文住宅を実現する第一歩となります。

福岡県で注文住宅を建てたいと考えていても、なかなか決断できずに時間だけが過ぎてしまう方は少なくありません。家づくりは人生における大きな決断であり、慎重になるのは当然です。
しかし、決断を先延ばしにしている間に地価が上昇し、さらに条件が厳しくなる可能性もあります。ここでは、多くの方が注文住宅の計画を進められない主な理由について解説します。
時計や車においては、理想のものを買える可能性は、比較的高いものです。
ところが不動産、特に注文住宅では設計段階の時点で「全ての希望を入れ込むのは難しいかもしれない・・・」と感じることが多いです。
仮に全ての理想を詰め込んだとしても、ほぼ予算オーバーという現実を突きつけられます。
夫婦間や家族の意見を盛り込んで設計した注文住宅が結果として予算オーバーとなると、今度は「どこを妥協するか」悩むことになります。
もしくは予算を積み増す方法を考えるなど、資金計画にも影響してくることもあるわけです。
このことから、100%の満足度を求めるのは、現実的ではありません。
完璧を追求するあまり決断が遅れてしまう、よくある2つのパターンを見てみましょう。
「絶対に◯◯区がいい」「駅徒歩5分以内」「南向きの整形地」など、人気エリアの理想的な条件にこだわりすぎると、土地探しは難航します。
福岡県での土地探しや注文住宅の新築は、駅近や高級住宅街、ハザードマップにかからない場所など、人気のエリアだけに固執することは、できれば避けたいところです。
なぜなら、そのようなエリアは街がすでに完成していることが多く、売りに出される土地が極端に少ないというデメリットがあります。
また、公開されたとしても他のエリアに比べて土地の価格は高く、その価格をベースに資金計画を組むことになります。
人気エリアに限定することは、供給数が少ないなかで多くのライバルと取り合うことになるため、購入の鍵となる以下のポイントが揃っていなければ難しいでしょう。
情報収集のスピード
申し込みのタイミング
資金力
競合が多いなかでの土地探しは、購入意欲やモチベーションを徐々に低下させるだけでなく、マイホームでの新生活すらも先延ばしとなる原因のひとつでもあります。
土地だけでなく、住宅についても要望が多い場合、予算とのバランスが取れなくなります。
予算オーバーを調整するには、以下のような方法が一般的です。
建物を小さくする
設備や資材などをダウングレードする
ローコストなハウスメーカーに切り替える
このような調整なしに折り合いをつけることは、かなり難しいといえます。
また、ローコスト住宅を選ぶことで、サイズと設備や資材の問題はクリアできる可能性は高くなりますが、保証や品質面で不安が残ります。
これまで検討してきた注文住宅とローコスト住宅を比較するあまり、次第に優先順位を見失うことも懸念点の一つです。
理想の住まいという本質を見失い、ただ、予算問題をクリアすることに目的がすり替わることは、後悔の要因となります。
このような悪循環を避けるためにも、何を重要視するのか、優先順位の高い項目をクリアできる注文住宅を検討することをおすすめします。
プロのアドバイスが打開策となるため、積極的に相談すると良いでしょう。
福岡県を問わず、注文住宅を新築する際に、建築主の多くは住宅ローンを利用しています。
土地を先に購入するとなると、厳密には「つなぎ融資」になりますが、人生で初めて何千万円という「借金」を負うことになるわけです。
また、円安や金利上昇のリスクが懸念されている現状においては、将来の返済に、一層強い不安を抱えることも想像に難くありません。
そのため、住宅ローンを組むことに抵抗があり、その結果、注文住宅の計画を進められないケースもあり得ます。
フラット35を提供している住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅を建築する際の融資金は、全国平均で3,080万円となっています。
土地を合わせた「つなぎ融資」の場合にはさらに増えることになります。
その一方で、金融機関が審査に利用するCICによると、借金の平均額は1契約あたり64.6万円となることから、住宅ローンの借入額はこれまで経験したことがない額になるわけです。
現実として、借金をせずに注文住宅の新築を進めることは難しく、自己資金のみでは計画が頓挫してしまう可能性が高いといえます。
そこで、ファイナンシャルプランナーにライフプランの作成を依頼し、収入と支出のシミュレーションを実施することで、年単位での返済の見える化をおすすめします。
返済計画を明確にすることで、将来の不安をある程度払拭することが可能です。
危機的な状況に陥ったときの対処法なども、ファイナンシャルプランナーから助言をもらっておくと、より安心できます。
コロナショックや日米の金利格差による固定金利の上昇などで、福岡県の人気エリアに土地を購入して注文住宅を新築することには、確かにハードルが高い状況です。
同時に、多くの不安要素を抱えることになります。
特に、自身や配偶者の収入が、悪い方向へ変化する可能性もあるため、住宅ローンを組む決断がしづらくなっていることは、誰もが理解できます。
このような不確定で漠然とした不安は、何かのタイミングやきっかけで解消されるものではありません。
会社員であれば、収入の種類を増やすことも検討すべきです。
副業
投資
アルバイト
同時に、支出についても見直すことも効果があります。
しかしながら、注文住宅を新築するのであれば、どこかで決断するしかありません。
そのためにも、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者に相談し、いま借入すべきかについて、しっかりと助言を求めることをおすすめします。
注文住宅の新築を決断できない理由には、世帯の事情も大きく影響します。
仕事柄転勤や長期出張が多ければ、エリア選びも難航します。
さらに子どもの教育的な観点から、通学させたい学校があれば、近隣のエリアを選びたくなるでしょう。
将来、子どもが独立して家を出ることを前提とすれば、オーソドックスな2階建てよりは、コンパクトな平屋でも良いのではないかと、考え方も変わります。
世帯が抱える事情は、世帯ごとに異なるため、家族のなかで解消しなければ、注文住宅の新築を決断することは、非常に難しいと言えます。
転勤や長期出張が多い仕事は、生活拠点を転々とするため、福岡県内でも土地を購入するエリアが決めにくくなります。さらに、転勤や長期出張では、単身赴任と家族同伴のパターンがあり、それぞれでさらに事情が異なってきます。家族同伴なら、ほぼ、注文住宅の計画は保留にせざるを得ません。
また、そもそも注文住宅を新築して家族と一緒に新しい生活をスタートしたにも関わらず、建築主が家を留守にしがちという状況に、セキュリティや日常のメンテナンスの面で不安を覚える家族もいます。このように、仕事の都合が決断できない理由になることは多いものです。
立地に関しては通勤時間短縮を願う夫、時間の自由が効くテレワーカーの妻はハウスメーカーや建築業者を選定、といった役割分担があれば理想的です。
ところが、注文住宅のマジックとでも言うべきか、実際には土地と建物に関して、それぞれにお互い理想を持つケースがほとんどで、どこかで衝突することもあります。
やはりスタートの段階で、要望をまとめておくことがおすすめです。1案だけでなく、理想に限りなく近いプランと最低限の要望を満たすプランを持っておくと、その後の決定事項についての話し合いはスムーズになります。
稀に、お互いの主張を曲げず、意見が食い違ったまま計画を進めてしまう世帯もありますが、大体、予算オーバーという現実を知ることで落ち着きます。
このような状況では、土地やハウスメーカーを巡っても、プランが定まっていない限りは、何も進まず時間が過ぎるのみです。
ある程度、意見を共有した上での行動が望ましいと言えます。
福岡県で注文住宅を建てる際は、費用相場や土地探しのポイント、ハウスメーカー選びの基準をしっかり押さえることが重要です。福岡県は、全国でも珍しく9年連続で地価が上昇している都道府県であり、人口増加や福岡市中心部の再開発によってさらなる地価上昇も十分に考えられます。
また、材料費や人件費の高騰にも目を向けると、福岡県内で注文住宅購入のハードルが今後も上がり続けるでしょう。土地探しを行う際には、人気エリアだけに固執せず郊外にも目を向け、優先順位を明確にすることが重要です。
福岡県で不安なく土地探しをするなら、リブワークのe土地netにお任せください。
また、福岡県で注文住宅を建築予定で、不安解消のノウハウをお求めの方はリブワークに、ぜひご相談ください。
