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2022.06.22
法律

購入した土地を夫婦仲良く共有名義にして登記するメリットとデメリット

土地の共有名義のメリットとデメリット

目次

 

土地や建物など不動産に関する所有権は、登記をすることで初めて第三者に対して、権利を主張することができます。
その登記事項に記載する「登記名義人」は、単独での登記でも良いですが、複数人が共同で一つの不動産を所有する場合は、全員の登記が必要です。

これを「共有名義」と言います。

実はこの共有名義、単独所有の場合とは税制面などでの取り扱いが異なります。
ご夫婦で土地を購入して共有名義とした場合、どのようなメリットがあり逆にデメリットがあるのか、詳しく解説していきます。

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共有名義とは

「共有名義」とは、1筆の土地や1棟の建物を複数人が共同で所有し、その全員が登記している状態を言います。

夫Aさんと妻Bさんが共同で家を買い、住宅ローンの負担も折半なので、新しい住まいも同じ割合で共有することにしたとします。
所有者はAさんとBさんで、持分割合はそれぞれ2分の1という状況です。

これが共有名義の一例になります。

このほかにも、複数人が1つの不動産を相続した場合や隣接地に住まう方々が1本の道路(私道)を共有している場合など、そのケースは様々です。

名義の種類

複数の所有者が1つの不動産を共有する「共有名義」に対して、1人の方が単独で所有し登記している状態を「単独名義」と言います。

単独名義は1人がその権利のすべてを所有しているのに対し、共有名義は複数人が「持分」を所有していることから、権利の行使に一定の制限が加えられます。
例えば、共有名義の土地を売却するには全員の同意が必要で、1人が独断で行うことはできません。

建物を解体するような場合も同様です。

ただし、「自己の持分だけを売却する」ことはできるため、家を売却する際に、「ゴミ置き場の持分4分の1も合わせて売却する」といったことが可能になります。

共有名義ついての疑問など

不動産はどのような関係の方でも、そして何人でも共有することができます。
登記さえすれば、名義人全員の共有であることを第三者に示せます。

確かに「一つの家を共有する」という観点では、共有名義人は夫婦、あるいは兄弟など家族が一般的ですが、先に挙げた道路やゴミ置き場の例などでは、共有者の関係性は求められません。

ですから、共有者の人数も自由であり、極論、100人でも構わないわけです。

持分割合は、不動産の購入の際に拠出、つまり負担する金額を考慮するのが一般的。

2人の共有名義では均等に2分の1ずつでも良いですし、1対99の割合でも構いません。

ご夫婦の共有で、住宅ローンの負担割合がほぼ同等であれば2分の1ずつ、2対1程度であれば3分の2と3分の1、というのが持分割合のイメージです。

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土地の共有名義のメリットは住宅ローン控除や相続の節税

共有名義のメリット

実際に夫婦が共同で住宅ローンを組んで、住宅を購入するようなケースでは、片方の単独名義とするよりも、共有名義とした方が、大きなメリットを受けられる可能性があります。

特にそれが顕著なのは税制面です。

住宅ローンを組んで住宅を購入した場合には、いわゆる「住宅ローン控除」が受けられますが、この制度の仕組みによって共有名義の方が有利になることが少なくありません。

また、売却や相続の際の課税に際しても、評価額の算出や特例措置の存在によって有利に働く可能性が高いです。

 

住宅ローン控除は名義人ごと

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて家を購入した場合、年末残高の0.7%を上限に所得税及び住民税が還付される制度です。

例えば3,000万円の残高がある場合、21万円を上限に所得税・住民税が還付されます。

保険料控除のように所得から一定の額を控除して税額を算出するのではなく、税金そのものが減額されるという非常に有利な減税措置ですが、この仕組みのために控除額の上限まで節税に活かせない事態が生じることがあります。

しかし、共有の場合は持分割合に応じて上限が適用されるため、持分割合が2分の1なら10万5,000円ずつ、夫婦それぞれの所得税・住民税から還付されることから、制度のメリットを余すことなく享受できるのです。

ただし、何らかの事情で片方の収入がゼロになった場合などは、逆に還付金額が大幅に減額されてしまうリスクがあります。

相続の際の節税

共有者のいずれかが亡くなって相続が発生した場合や、その住宅を売却する際にも節税の効果が見込めます。
共有名義の不動産を相続する場合、課税対象となるのは被相続人の「持分」だけです。

つまり、単独で所有していた不動産全体を相続するよりも、2分の1の持分を相続する方が、税額算出の基礎となる財産の額を抑えることができます。

また、不動産を売却して譲渡所得(売却益)が出た場合、所有期間に応じて最大で約40%もの税金が発生しますが、マイホームであれば所有期間の長短に関わらず最大3,000万円を売却益から控除できます。

売却益は名義人の持分割合に応じて算出され、控除は名義人1人につき最高3,000万円が適用されますから、夫婦での共有ならば控除額は最大6,000万円です。

土地の共有名義のデメリットは売却時や相続時や固定資産税など

共有名義のデメリット

節税などの面で大きな効果を持つ共有名義ですが、一方でデメリットについても押さえておく必要があります。

共有という概念が持つ法律上の特性から、その財産の処分もちろん、維持・管理などについても、個々の共有者が単独で行える範囲には制限が加えられています。

単独で売却ができないというのはその一つです。

これが共有名義特有のデメリットにもつながっており、どのようなリスクが生じるかを具体的に把握しておくことはとても大切です。

売却時が面倒

共有財産の処分には全員の同意が必須となります。
夫婦で共有する土地を売却しようとするならば、当然のように合意が前提となりますが、その合意形成は必ずしも円滑に進むとは限りません。

夫婦が不仲となってしまって合意に至らないケースはもちろん、合意はしているものの海外に赴任している事情で手続きができないというケース、高齢のため契約などの法律行為に制限が掛かってしまったといったケースなど、実は比較的よくある事例です。

相続後に名義人が増加

相続の際には名義人が増加する可能性が高く、さらに合意形成が困難になるリスクがあります。

共有名義の不動産は、その持分が相続の対象です。

つまり、被相続人の持分がさらに細分化されて複数人の手に渡る形となります。

売却には全員の合意が原則ですから、相続によって共有者が増加し、それに伴って持分が細分化されることは、すなわち売却などではハードルの高さに直結します。

固定資産税は代表者に通知

固定資産税・都市計画税など、維持・管理に関する経費にも注意が必要です。

これらの負担責任は名義人全員にあるとはいえ、納税通知は代表者にしか送られないため、割合に応じた清算はあくまでも名義人の間で行うことになります。
毎年継続して負担しなければならない経費ですが、その都度清算するのは非常に手間が掛かるわけです。

長期間にわたって代表者が負担した税金を清算する場合も、負担割合などでトラブルに発展するケースは少なくありません。

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負担割合や清算方法など、あらかじめ取り決めを行う必要があります。

土地の共有名義の注意点は持分や財産分与など

共有名義の注意点

実際に夫婦の共有名義で不動産を取得する場合、前述のメリット・デメリットを踏まえた上で慎重に検討する必要があります。

あくまでも民法の上では持分割合の設定、その変更も共有者の合意があれば自由にできますが、不動産という資産の特性から現実的には現金のように容易に分割することができません。

共有者はそれぞれ容易に分割ができない資産を共有するというという認識を持ち続けることは必須です。

持ち分を曖昧にしない

持分割合の設定に際しては、根拠を持った明確な割合であることが重要です。

一般的には、それぞれの持分割合は出資した金額の割合などに応じて決定します。

なぜなら出資額と持分の比率が大きく異なる場合、共有者間での贈与とみなされる可能性が生じるからです。

例えば、とある夫婦がマイホームを購入し、夫が単独で住宅ローンを全額借りた場合で考えてみます。
このようなケースでは、持ち分比率を2分の1ずつに設定すると、住宅ローンを借りていない妻は費用負担なく持分を取得することになってしまいます。

つまり、夫から妻への贈与と認識され、妻には贈与税の負担が生じる可能性があるのです。

バレなければ良いという問題ではありませんので、きっちりと持ち分に則って返済することが求められます。

離婚等の財産分与でトラブル

夫婦共有の土地を売却しようとするならば、二人の合意が必要となりますが、その合意形成は必ずしも円滑に進むとは限りません。

その典型と言えば離婚での話し合いです。

夫は土地を所有して住み続けたい、妻は売却したいと考えたとしても、二人の合意の上でしか売却はできず、現金のように分割が容易ではありません。
この時点で住宅ローンが残っていた場合、仮に夫が住宅を取得し、妻の分の住宅ローンも引き継ぐということで合意したとします。
しかし、妻の残債を完済するなどの方法を取らない限り、妻の支払い義務を解消することは難しいため進展しないことが多いのです。

このように、当初想定していなかったトラブルが発生した場合、単純に分割ができる現金などに比べて財産分与が円滑に進まないリスクがあります。

土地の共有名義のメリットやデメリットなど

まとめ

不動産の共有名義は税制面などでのメリットが非常に大きいと言えますが、共有という仕組みに起因する特有のトラブルが存在することは否めません。

しかし、夫婦でマイホームを購入する際には、二人の収入の状況や住宅ローンの負担割合などに見合った名義で登記するのが原則です。

そのメリット・デメリットをしっかりと認識した上で、夫婦で話し合って決めるのが望ましいでしょう。

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