注文住宅を調べていくと「構造計算」というあまり聞きなれない言葉が見つかります。
構造計算とは建築物に必要な力(固定荷重や積載荷重、地震荷重など)を数値化するための計算です。
構造計算を行うことで、建築物が安全な状態を保てるかどうかを設計段階でしっかりと検討できます。
そこで今回は、構造計算の費用や構造計算書が不要な住宅についても解説します。
構造計算書は必ずしも全ての建物に必要ではありません。
木造2階建以下の住宅などの「4号建築」は、構造計算書の提出は不要です。
大半の場合は許容応力度計算や軸組計算、壁量計算や偏芯率計算などで計算されます。
併せて、大半のプレハブ住宅も構造計算書不要です。
プレハブと聞くと「簡易的住宅」をイメージする方もいると思いますが、ここで言うプレハブ住宅は「企画の要素が強い住宅」を指します。
ハウスメーカーが住宅に商品名を設定して、住宅を建てたい土地にカタログに沿った住宅を建てます。
注文住宅と違って認定を受けた規格の住宅が建つので再計算も不要で、コストも抑えられる住宅なのです。
「自分が建てるのはプレハブ住宅ではない」と感じていても、建築の観点ではプレハブ住宅と判断されることも多いのです。
「この住宅はプレハブなので構造計算書不要です」と説明される可能性もありますが、既に認定は済んでいるのでご安心ください。
一般住宅でも構造計算書が必要な場合もあります。
木造3階建や鉄骨造、鉄筋コンクリート造住宅は構造計算書が必要です。
これらは構造計算適合性判定が必要で、確認申請時には構造計算書の提出が必須です。
構造計算書作成は、許容応力度等計算や保有水平耐力計算、限界耐力計算などの精密な構造計算が欠かせません。
構造計算は構造設計一級建築士の有資格者のみが行えて、その数も決して多くないのです。
注文住宅の構造や規模にもよりますが、30坪前後の一般住宅では30万円~50万円が相場です。
構造計算書は法的に必要ですが、それ以上に住宅の安全確保には必要な作業だと認識しておくと安心です。
構造計算は法的観点だけで、必要性を判断してはいけません。
様々なデザインや建築様式の住宅が増えていますが、時として柔軟に判断することが必要になる場合もあるのです。
構造計算書の提出が義務付けられていなくても、精密な構造計算を行ったほうが良い場合もあるのです。
窓などを多く採用した住宅や壁が少なく大きな空間がある住宅は、木造2階建でも構造計算を行うと安心です。
増加傾向にある開放的な住宅は、今までの木造2階建住宅とは違う性質があります。
リビングからテラスまでを掃き出し窓で仕切っていたり、総ガラス張りの空間がある住宅は注意しておきましょう。
安全性とデザイン性が引き換えにならないためにも、構造計算の必要性を確認しておくことをお勧めします。
構造計算を行うのは、注文住宅を建てるための資料集めだけではありません。
注文住宅の設計が台風や地震などの自然災害にも耐えられる構造かどうかも確認すると、結果として自然災害から注文住宅を守ることに繋がるのです。
調査など様々な費用は発生しますが、構造計算で注文住宅の安全を数値化しておくと安心感が大きくなります。
構造計算は単なる書類としての利用だけではないので、構造計算が必要と感じた場合は速やかに調査と計算を依頼しましょう。
今回は構造計算の費用や構造計算書が不要な住宅について解説しました。
一生の一度の買い物でもある注文住宅。
構造計算で万が一の場合にも耐えられるかどうかを確認しておくと、心置きなくデザインや設備選びに時間を回せます。
今回の記事を参考にして、これから建てる注文住宅は構造計算が必要かどうかを確認してみましょう。
リブワークは注文住宅に必要な知識や経験を持ったスタッフが常駐しています。
「こんな注文住宅を建てたいので相談に乗って欲しい」などありましたら、お気軽にご相談ください。